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国民負担率は六公五民に?税と社会保険料負担増で苦しくなる暮らし
令和5年2月に財務省が公表した今年度の国民負担率は、46.8%となる見通しです。
五公五民とは、江戸時代の年貢率を表現しており、収穫したお米の5割を年貢として上納し、残りの5割を農民の作徳米としたこと。
歳出拡大三兄弟とも揶揄される防衛費増額・少子化対策・GX(グリーントランスフォメーション)投資、岸田政権の政策3本柱として掲げられていますが、いずれも巨額の予算が計上されます。私たち国民の関心もあり、政策自体には支持が集まりやすいのですが、肝心の財源確保は後回し。
特に「異次元の少子化対策」には、関連予算を倍増するとの方針も出していましたが、その予算には年間3兆円を増額、税収などで確保する予算から0.9兆円、医療保険料などの上乗せで1兆円程度、社会保障支出の削減で1.1兆円を賄うとされました。
財務大臣の諮問機関の財政制度等審議会は、政府が目指す少子化対策の強化に必要な財源については、
「これから生まれる子供たちの世代に先送りすることは本末転倒だ」
として、赤字国債で賄うことは認められないと明言。
また政府は、増税を財源とせず、医療保険料を上乗せして賄う方針を固めたとのことですが、将来の医療サービスを受けるために支払うはずの保険料が、なぜか少子化対策に利用されるのは問題との指摘もあります。政府は、現役世代だけに負担を負わせるとの批判を避けるため?に、高齢者医療保険料も少子化対策の財源に活用する方針なのだそう。
全世代で子育てを支えるという理念を反映させる考えですが、実際には高齢者負担よりも、現役世代そして社会保険料を折半し払っている企業が負担を担う形になりそうです。
増税と言えば国民の反発は必至なので、それをかわす狙いでの社会保険料負担増ですが、私たちの手取りが減るという点では同じ事ですし、前述の財政審議会では、「財源を検討する際には、税も選択肢から排除すべきではない」という意見が委員の間から出たことも明らかに。
…いよいよ、これは六公四民時代が目の前に迫っているのでしょうか。
手取りは増えず物価は上がり、さらに増税や社会保険料負担増で私たちの暮らしはさらに苦しくなって、節約に励む毎日…
これでは将来への不安は増すばかり、国民はますますお金を使わず貯蓄に励むようになるでしょう。
【東京ホンマもん教室】「六公四民」はもう目前!令和のPB亡国
子ども特例国債の発行も検討
これは、特定財源で償還される「つなぎ国債」で、歳出と歳入の時間的なズレを補うために発行される特別な国債で、将来の財源確保手段を決めた上で発行されるもの。
…ということはつまり、”近い将来に社会保険料を引き上げて確保する財源で返します”…ということであり、その場しのぎの対応=先送りとなってしまいます。
公共投資のように、将来世代までその便益を得られる歳出については、将来世代もその負担をするように国債発行で財源を賄うことが認められている
「建設国債(財政法に基づき、国の資産を形成するものとして、公共事業費、出資金、貸付金の財源に使用するために発行する国債)」
があります。
子どもは未来の財産でもあり、少子化対策や子育て支援についても、こうした考えで国債を発行し安定的に財源を賄えないものでしょうか…
先日、ネットの世界で話題になった”ザイム真理教”について書かれた、森永卓郎氏の著書を読みました。
私たちは、「財務均衡主義」という教義に”洗脳”され続けている…ぜひ皆さんにも手に取っていただきたい一冊です。