米国債、デフォルト(債務不履行)回避で原則合意!それでもくすぶるリスク
米利上げ終了予想から考える、今後のドル円見通し
アメリカFRB(日本でいう日銀)は5月2日・3日のFOMC(金融政策を決定する会合)にて、0.25%の利上げを決定。
これで10会合連続の利上げとなり、政策金利の水準は5.0~5.25%となり、同時に打ち止めのメッセージも出されました。
5月1には、アメリカの地方銀行ファーストリパブリックバンクが破綻するなど、以前からくすぶっていた銀行システムへの不安が再燃。
直近の物価上昇が、目標値の2%を大幅に上回る5.6%(コアCPI)と発表されていたことから、引き続き物価の安定の回復を重視したようです。
次回6月のFOMCでは、物価の伸び率が鈍化してきたこともあり、利上げを停止すると言われます。金融市場では、年後半、早ければ9月にも利下げが実施され、年内には合わせて0.5~0.75%の利下げもあると予想されており、今後の円高、ドル安要因となりそうです。
今後の具体的な影響としては、
日本円の需要が増し日本円の価値が上がる(円高)、アメリカ経済が減速した場合日本の輸出企業に悪影響→日本の株式市場にも影響、逆に円高が進むと輸入関連企業への期待が高まり株価が上がる、エネルギーをはじめとする輸入品のコストが下がりインフレ抑制効果が期待できる
…などが考えられます。経済はとても複雑で、どちらに動いてもプラスとマイナス両面があるため、私たちは状況を見つつ冷静に、自分のリスク許容度に見合った長期積立分散投資を継続するのが大切です。
インドへの投資は魅力的?成長要因と今後の課題は
2023年1月から7月にかけて、インドの人口は660万人も増えていて、4月にはついに中国を抜き世界最大の人口大国となりました。
少子高齢化が進んでいる先進国とは対照的に、人口の約半分が30歳未満であり、膨大な購買力と豊富な労働力を生み出すことから、今後世界で最も急成長が期待できる国といわれます。
IMF(国際通貨基金)の予測によると、2027年には日本とドイツを抜き、アメリカと中国に次ぐ世界第3位の経済大国になる見通し。日本企業も進出を続けていて、拠点数は15年前から5.7倍にも増えているそうです。
世界的にも高く評価されているIT産業の技術能力に加えて、製薬産業も飛躍的に成長しているのだそう。現在では200以上の国や地域に安価な後発薬を輸出する、世界最大の後発薬供給国となっていて、実際にアメリカの医薬品利用数量のなんと4割がインドで生産されています。
一方で、生産効率の面には課題もあり、インド政府の統計では、就業者の46%は依然として農業部門であり、製造業部門は12%。生産性が低い農業部門から、より生産性の高い工業やサービスの部門に労働移動を促す雇用対策などがポイントとなりそうです。