インフレはどこまで、いつまで続く?私たちの賃金は上がるの?
電気ガス料金支援策の問題点とは?
政府による経済対策の策定が大詰めを迎えています。
今回の経済対策の目玉となるのが、電気料金値上げによる家計負担を軽減する措置ですが、財源の大半は赤字国債発行であり、財政環境の悪化が懸念されます。
円安がさらに進む恐れ?
消費者物価統計によると、8月時点で電気料金は前年同月比で21.5%上昇。
ただ、円安の影響などで輸入燃料費が増加しており、来春には電気料金はさらに2~3割上昇する可能性もあります。
これを抑制するために、政府が電力会社へ補助金を出す方針(消費者支援ではない!消費税減税も断固しないと明言!!)であり、同様にガス料金の軽減策も検討されています。
ただ、こういったガソリン、電気、ガス料金の一連の値上げ対策が、今後食料品の値上げ対策などにまで際限なく拡大していくと、財政負担が膨れ上がる懸念もあり、慎重な議論が求められます。
政府は、これらの総合経済対策に国債20兆円を投じる方針。
ただし財源の大半は、歳出削減や増税ではなく赤字国債の発行で賄われることへの懸念もあります。
直近、イギリスでも物価高対策のために国債発行し大型経済対策を実施しようとして、株安、通貨安など大混乱が起きました。
日本ではイギリスのような長期金利の急騰は無いと思われますが、財政環境の一段の悪化は通貨の信認低下につながり、円安がさらに進む可能性もあります。
物価は上がっているとはいえ、需要と供給のギャップはまだまだ大きい日本。
円安、エネルギー料金高騰によって本当に困っている人たちへの支援や、消費の促進、経済活性化に有効となるような、政府にはそんなお金の使い方をしていただきたいと思います。
32年ぶりの円安と急場しのぎの単独介入
米長期金利が4%を超え、日米の金利差拡大もあり円安が加速、1990年8月以来32年ぶりの1ドル=150円台をつけました。
週末に政府が再び円買いの為替介入に踏み切り、一時7円以上円高となりましたが効果が続きません。
本来、円安は輸出企業の業績にとってプラス(株価上昇)につながります。
しかし、現在は生産拠点を海外に移している企業も多く、今の円安は原材料費コスト高&海外従業員コスト増につながり、円安が株高につながらない構図もあります。
為替介入を行えば、一時的に円安は止まるものの、短期でトレンド自体を買えることはできません。
32年ぶりの水準ということは、ここから先はさらに進む可能性、年末には1ドル=155円の声も出ています。