為替介入とは?なぜ行われる?…その効果はいかに…
6月第2週の振り返り
先週の日経平均株価は小幅上昇でした。
訪日外国人受け入れ拡大を見越し、インバウンド関連が買われたほか、円安が急速に進行したことで輸出関連株が上昇しました。
ただ、週末にかけてはECB(欧州中央銀行)が7月利上げを表明したことで欧州株が崩れ、日本株も連れ安となりました。
週末に発表された米国の5月のCPI(消費者物価指数)は、前年同月比8.6%と40年ぶりの大幅上昇率。
インフレ加速を受けて14~15日のFOMC (金融政策を決める会合)では、通常の3倍となる0.75%の利上げが予想されています。
金融引き締めへの懸念で株安となっています。
注目トピック
四半世紀ぶりの安値が近づく円安…円安はプラスかマイナスか?
まだまだ円安見通し
外国為替市場参加者へのアンケートによると、54%が「円安トレンドは終わっていない」と回答しています。
利上げペースが加速するとみられる米国、7月から利上げに転じる欧州に対し、日本だけは低金利を継続させるため、金利格差拡大による”円独歩安(=円だけが安い)”の環境となりそうです。
また、仮に日本政府が円安是正に動こうとしても、唯一持っている為替政策の手段である為替介入(円買い介入)は米国の賛同がえられないため使えません。
今後もますます円安への備えが必要となってくる環境といえます。
円安はプラス?マイナス?
円安が日本経済にプラスかマイナスかというのは判断が難しいところ。
日本銀行は為替の過度な変動は望ましくないとする一方、円安自体は基本的には経済にプラスとの判断で、円安抑制の姿勢をみせていません。
一方、経済同友会が発表した『円安が日本経済に与える影響』についての調査によると。企業経営者の7割強がマイナスの影響(ややマイナスの回答含む)と回答しています。
国民生活においても食料品の6割強、エネルギーの9割弱を輸入に頼っているため、円安による家計の圧迫という面ではマイナス影響が強いと言えます。
輸入小麦の値段はまだまだ上がる?
日本では95%を輸入に頼っている小麦、世界の小麦輸出の3割を占めるロシア、ウクライナの生産が激減していることに加え、米テキサス州では干ばつの影響で小麦収穫が大幅減少する見通しです。
また、同じく生産大国のインドでも干ばつにより国内消費分を確保するため小麦輸出の停止を発表しています。
小麦価格の高騰で世界的な食料危機が心配。日本国内でも円安進行とのWパンチでさらに影響が大きくなりそう。
小麦由来のパン、麺類、お菓子類などは1月の値上げに続き、7月にも8%程度上昇する見込みです。