ユニコーンに乗って?
6月第1週の振り返り
日経平均株価は大幅上昇、2か月ぶりの高値をつけました。
節目となる27,500円を突破したことで、短期的には下げづらく上げやすい相場環境と言えます。
週末には政府内でGo Toトラベルを6月末にも再開する案が浮上していると伝わり、鉄道や旅行株にプラス材料となりそうです。
米国株式は、前の週に大幅高となった反動でやや失速気味でした。
ただ、年始から続いた下落は5月で一旦大底を打ったのではとの見方も。
来週にはFOMC(日本で言う金融政策決定会合)もあるため、基本的には様子見、どっちつかずの相場環境となりそうです。
※資金の流れ:ハイテク株→鉄道、旅行関連株 ・ 円→米ドル
岸田政権の経済政策は大転換? 富の配分はいずこへ~成長戦略~
5月31日に政府が公表した2022年度の骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針)原案は、経済政策が経済のパイを広げる成長重視へと軌道修正されたことを示しています。
”貯蓄から投資へ”の流れの加速
「人への投資」や「グリーントランスフォメーションへの投資」など、中長期的、計画的な財政支出を行う旨が明記されました。
政府主導のもと官民一体で投資促進を図る計画です。
またNISAの拡充やiDeCo制度の改革、国民の預貯金を資産運用に誘導する新たな仕組み創設など、貯蓄から投資へのシフトを大胆かつ抜本的に進める方針です。
個人金融資産をリスクマネー化することで、企業の成長や経済の活性化を促す狙いです。
遠のく黒字化
逆に大きな懸念材料として浮上しているのが、財政拡張傾向の強まりによる財政規律のさらなる低下です。
新たな借金を増やす路線な一方、プライマリーバランス黒字化(国の家計簿黒字化)の目標は盛り込まれませんでした。
新規国債発行の増加は、将来世代の需要を前借し奪うことにもなりかねません。
それは将来に渡る成長期待を低下させ、企業の投資、雇用、賃上げをより慎重にさせ日本経済の潜在力を押し下げてしまいます。
そういった意味でも、歳出と歳入の一体改革を進め、しっかりとその財源を確保してから実施することが重要といえます。
成長戦略の有効性を損なわないためにも、財政健全化への取り組みもお願いしたいところです。