物価上昇対策、賃上げ、財政健全化?…日本の危機にどう対応する…争点無しの参議院選挙
【今週の経済注目トピック】
インフレ、+2%突破でも悪影響も大きい!? 年末には+3%超えの可能性
総務省は5月20日、4月の消費者物価統計を公表しました。
インフレ率は前年同月比で+2.1%と高い水準。
国民生活にはマイナス影響も大きくなりそうです。
補足:生鮮食品及びエネルギーを除く総合(コアコア指数)は+0.8%でした
今回数字が一気に跳ね上がったのは、昨年価格が大きく下落した携帯電話通信費の影響が薄れたためです。
インフレ率2%超えは2009年9月以来13年ぶりの水準。※消費増税の影響を受けた2015年を除く
特にエネルギー価格上昇の影響は大きく、今後も原油価格が今の水準を維持した形で、ドル円が1ドル140円まで円安が進むと、年末時点のインフレ率は+3.1%となる見通しとのこと。
賃上げは限定的か
日々加工食品の値上げが報道されていますが、実際の食料品価格上昇の数値はまだそれほど高くありません。ただ、今後も世界的な原材料高と円安が続くと影響が大きくなりそうです。
エネルギーや食料品は生活必需品のため、消費者は物価高の影響から逃れることができません…
本来であればインフレ環境かでは賃上げが起きやすくなります。
しかし、足元では経済の潜在力が高まっていないことなどを理由に、企業の賃上げは限定的となっています。
こうした中でインフレが長期化すると、防衛的な消費行動=個人消費低迷につながりやすく、経済にとってもマイナスになりかねません。
個人でも資産防衛の観点から、資産運用がより重要となります。
【今週の話題】
価格が半分になった”仮想通貨”
世界の暗号資産(仮想通貨)の価格は昨年末から46%程度減少、約1兆ドルが消失しました。
金融緩和であふれていた投資マネーがアメリカの利上げにより逆流しており、ビットコインやイーサリアムもほぼ半値となっています。
以前は株式などと動きが連動しないデジタルゴールドと呼ばれ、安全資産とされたこともありましたが、実際には株価と同時に下落しました。
仮想通貨市場での機関投資家比率が大きく上昇していることが原因のひとつです。
今後の影響は?
値動きの激しい仮想通貨は、金融システムを不安定にしかねないため、欧米の金融当局が規制強化に動き始めました。
無秩序だった市場が規制されることで、これまでのように大暴騰するような通貨は現れなくなりそうです。