健体康心
〝杉〟
一口に言ってもその種類は国内に300種類もあると言われてます。
宮崎県内でも、高千穂杉、霧島杉、飫肥杉、綾杉…と数種類あります。
中でも飫肥杉は油分が多く、強靱で耐久性があり、心材は虫の害にも強く、江戸時代は船材として用いられてました。
他の杉に比べ、気根の跡が多いのも特徴の1つです。
弊社は飫肥杉を使用して住宅を建築しています。
理由は地元で育った木材なので気候への順応がある。油分が多い。強靭で粘りが強い。シロアリに対して強い。など宮崎の住まいづくりにおいて欠かせない構造材だからです。
でも、ちょっと待ってください。
これだけでは、安心できる柱、梁桁材とは言えません。
住まいに木材を利用するには、乾燥という作業が欠かせません。一般的には①機械乾燥、②自然乾燥(葉枯らし)、③燻煙乾燥という乾燥方法があります。
国が勧めるのは①機械乾燥です。
機械乾燥は高温のスチームの中で杉を蒸して中の水分と油分を抜く方法です。強制乾燥なので杉の中にある細胞壁を壊して抜くことになるのです。
この柱は細胞が壊れているので生きてはいません。
ですので、芯割れという現象を起こします。柱の芯が割れるので強い衝撃には耐えられません。人の骨でいうと骨粗しょう症の状態です。
②自然乾燥はじっくりと木の状態を確認できるプロがいることが大切です。数ヶ月おいたから大丈夫と全てを出してしまうのは乾燥にムラができることにつながります。
③燻煙乾燥はセルロースが燻煙されることにより、強度を上げるので理想的な木材にはなると思います。
それぞれを知った上で、弊社は音響熟成木材を使用しています。乾燥温度は38度と決して高くない温度でゆっくりと飫肥杉を休めながら乾燥させていくのです。
時間は木材それぞれに合わせて、出荷時期を決めます。
そうして仕上がった構造材は油分が多く粘り強く、シロアリを寄せ付けないものに仕上がります。
粘りのある構造材と、骨粗しょう症の構造材
どちらも飫肥杉ですが、その価値は大きな差があります。
お住まいになる家族の安全のために、バリア・フリー工房はこだわります。