塾長の考え(塾)その8

中学1年生のAくん。
定期テストの成績表はまだだが、
答案は全部返ってきたとのこと。
結果(点数)を聞いてみた。
「答案は返ってきてるでしょ?」
「はい、返ってきています」
「結果は?」
「点数ですか??」
「まだ成績表は出ていないでしょ?」
「はい」
「だから番数ではなくて点数」
「合計点数ですか?」
「まあ、とりあえず」
「6教科で〇〇点です」
「ん、保体が入っているんだっけ?」
「はい」
「じゃあ5教科(国社数理英)で」
「わかりました」
その後、私は他の生徒の対応。
数分後にAくんがやってきて、
私に「メモ書き」を渡した。
私が別の生徒指導をしていたので、
口頭で言うことはせずに、
極秘でといった感じで。
ちらりとそれを見てみると、
合計点数ではなくて、
各教科の内訳が書かれていた。
保健体育の点数は置いといて、
5教科の合計点数は、
「448点(500点満点中)」
だった。
「(やるな…)」
と私は内心思ったが、
「わかった」
とだけAくんに答えた。
「(次の段階に行ってもいいな…)」
私は思った。
今回の彼のテーマは「自立学習」。
前回の中間テストでは、
Aくんの5教科の合計点数は、
「450点」。
お父さんが彼に言ったセリフは、
「やるじゃん!(笑)」
実は前回は学習の仕方を、
彼には入念に教え込んだ。
中学生になって初めてのテスト。
一応、前もってお父さんに、
「10番以内からスタートさせて…」
「はい」
「そのうち、学年トップを取らせます」
「そうですか(ニッコリ)」
「ただし…」
「はい(何でしょう?)」
「あくまでも『自立型』で」
「わかりました」
「そうでないと高校生になってから…」
「はい」
「真の学力向上は望めませんからね」
「塾長の方針でお願いします」
「任せておいてください」
「よろしくお願いします」
こういった会話を、
Aくんが小6のときにしておいた。
そして1回目の中間テスト。
「450点で学年5位」
だった。
(お父さんが)
息子を迎えに塾に来たときに、
「5番スタートでしたね」
「塾長の言った通りでしたね」
「…まあ、そうですね」
「これからもよろしくお願いします」
「大丈夫です」
そして今回のテーマは、
私が入念に指示をしなくても、
「自立」して学習できるか否か。
「手取り足取り教えたい!」
その欲求を抑えて、
「自立型個別学習」を決行。
どこの塾でもやっていないし、
できない「方法」だ。
Aくんの真価が問われた。
そして取ってきた点数が、
「448点」
だったのだ。
(続く)



