塾長の考え(運の良し悪し)
「先生、昨日と今日、模試がありました」
「え、何の?」
「京大オープン(模試)です」
京大とは京都大学のことだ。
京都大学は東京大学とならび、
全国トップの国立難関大学だ。
この生徒Bくんは工学部志望だ。
この場合、
合格可能偏差値は68~71だ。
とてつもなく高いレベルだ。
ちなみに宮崎大学医学部医学科は、
合格可能偏差値はほぼ65である。
これもかなり高い。
ただし、
偏差値だけ見てもわからないことがある。
それは何か?
肌感覚で言うところの、
実際の問題の難易度である。
京都大学の英語の問題は、
並みの高校生ならば、
解こうと頑張っても、
解けるものではない。
難しさは尋常なレベルではない。
微に入り細にわたって、
高水準な学力を要求する問題ばかりだ。
東大や京大のような、
「横綱」レベルの大学はそもそも、
入試問題の傾向が、
くるくると変わるようなことは、
以前はほとんどなかった。
「これを見て何を感じる?」
「どこまで美しさを表現できる?」
などといった問いかけや挑戦を、
受験する生徒たちに投げかけてくる。
それに正確に応対できる生徒しか、
合格できない。
北斗塾は、
過去に東大、阪大、九大、北大など、
難関大学の合格者はいるにはいるのだが、
京大はまだ誰も合格したことがない。
30年以上塾長をやってきているが、
受験した生徒は1人。
京大は不合格で九大に進学した。
相撲で言うところの、
京大は横綱で九大は大関だ。
明らかに「差」がある。
京大合格者を輩出できるかどうかは、
私の悲願の1つだ。
今現在、
私の目の前にいるBくんは、
素質も才能もあり、
努力家でもある。
さらに、
某私立高校の学年トップだ。
けっこうそこの学校の先生たちが、
京大過去問の添削をしてくれており、
Bくんもそれを喜んでいる。
厳密に言うと、
各私立高校によって程度は違うが、
トップの生徒が難関大学を受験する場合、
熱心に添削指導をする傾向がある。
この点は県立高校と私立高校の違いだ。
近年の京大の英語の問題は、
以前と違い、
一部とはいえ、
問題形式をいろいろと変化させている。
「横綱」であり、
何年間も出題傾向を変えず、
「解けるものなら解いてみてください」
というスタンスだったけれども、
時代は変わってきている証左と言える。
その「変化」に対応した問題を、
作成してくるのが大手予備校の模試だ。
こういう点は「さすが」であり、
こういうところが信用できる部分だ。
(続く)