塾長の考え(親子関係)7
今は易々とそんなことはしないが、
目の前にいる生徒の可能性を、
「見逃す」。
指導者として、
こういう失敗をしないように、
最大限の注意を払っている。
かつてわたしの前に現れた生徒で、
「この子は頭がいいなぁ」
そう思える生徒たちがいた。
その生徒たちは、
国立大学に限定すれば、
東大(理Ⅰ、理Ⅱ、文Ⅰ)、
阪大、九大、北大、
お茶の水女子大、
神戸大、横浜国立大、千葉大、
そういった難関大学を受験して、
全員合格。
または、
医学部医学科か薬学部薬学科、
農学部獣医学科などの、
難関学部を受験して合格。
しかし、
これは高校3年生や予備校生の場合。
中学3年生や小学6年生の生徒で、
「この子は頭がいいなぁ」
そう思っていても、
高校入試終了後、
合格と同時に卒塾。
中学入試終了後に合格して、
同年の3月には卒塾。
そういう場合は、
その後の指導をできないため、
その生徒たちが、
どうなったかは把握できていない。
うわさで聞いて、
そこそこは把握はできているが、
「結局はそこに進学したか…」
と思うことがほとんど。
あのまま指導できていれば、
どうなったかな…。
そう思ったりもするが、
それもまたその生徒の運命だと、
私自身は思うようにしている。
何が言いたいかというと、
本人が自分のことをよくわかっている、
そう思われがちだが、
案外そうでもないということ、
じつはもっと可能性があったということ。
他人だからこそ、
自分自身を客観的に見れることは、
結構あることだ。
今現在の私の目の前にも、
複数の成績優秀な生徒がいるが、
自分に自信をもっている生徒は、
入塾時点では多くはなかった。
むしろ、
自信喪失している状態で、
なおかつ成績不振だから、
しかたなく入塾してきた。
これが現実。
そもそも、
ほとんどの生徒は、
自覚も足りない状態だった。
だから、
いろんな話をして自覚させてきた。
その上で自立型個別指導をしている。
自覚がないままでも、
小中学生ならば成績向上はたやすいが、
高校生以上はどうしても、
学力的に「重症」の状態が多い。
メンタルも傷ついている。
それでも、
わが子の可能性を信じている母親がいて、
一生懸命に情報を検索して、
北斗塾にたどり着いた。
そこでこちらはどうするか。
何ができるのか。
何をしてあげられるのか。
生徒を覚醒させてあげられるのか。
それとも、
何もできないまま終わるのか。
その戦いが日々の仕事なのだ。
それが塾講師の仕事。
それが塾長の仕事。
(続く)