塾長の考え(夏期講習)⑤
前回の話をもう少ししておかないと、
一部の親御さんたちに、
誤解が生じる可能性があるので、
念のために補足をする。
私がこのブログで再三言うことの1つに、
「高校受験までは通用する」
という言葉がある。
これは塾側の視点で見たときの、
もっとも大切なこと、
つまり「合格」を意味している。
塾に求められるものは何か?
それは志望校の合格だ。
その視点で言うと、
「高校受験までは通用する」
とは何を意味しているかと言うと、
いろんな学習塾が、
いろんなやり方で生徒たちに、
受験の指導をしたところで、
高校受験までなら合格する、
そういうことを言っているだけ。
「詰め込み上等!」
そういう学習塾がほとんどなので、
そのやり方で合格を勝ち取ることは、
あまり難しくないということ。
なぜなら10代の子どもは、
「流動性知能」が旺盛な時期だから。
大人ならできない芸当、
「意味も分からないまま覚える」。
小学生はこれが大得意。
中学生も得意。
思考力も判断力も増してきた、
高校生になると…やや難しい。
年齢が、
40代や50代以上になると、
この芸当は難しいのなんのって…。
思い当たる親御さんもいるだろう。
さらに、
「さっきまで覚えていたのにっ!」
このようにあっという間に、
いろんなことを忘れていく。
こんなことは日常茶飯事です(笑)。
そしてこの丸覚えができる時期の、
小学生や中学生を相手にする、
学習塾の講師は、
いったい生徒に何をするでしょうか?
そういう問題。
合格という結果を出さないと、
親御さんたちから低評価を受けることになる、
学習塾の講師たちは、
いったい生徒に何をするでしょうか?
一例を挙げると、
「テスト範囲を3回繰り返せ!」
こう断言する塾講師も必ず出て来る。
(かつての私がそうだった)
問題を解くトレーニングをするときに、
意味理解をしないまま繰り返すことと、
意味理解をしてから繰り返すことは、
本質的にまるで違う。
だから、
繰り返すことが悪いというわけではない。
本当の理解をしてからの暗記ならばいい。
正確に言うと、
高校受験までの学習塾の指導のやり方は、
当然ながら高校受験がゴールなので、
「やり切り型」の指導が行われる、
そういう可能性がそもそも高い。
いやハッキリと言っておくと、
その先(高校入学後)を見据えた指導と、
高校合格が最終目標の指導は、
内容(質)は本当にかけ離れている。
小中学生を教えるだけの塾と、
高校生も指導できている塾は、
そこが「違う」。
(続く)