塾長の考え(ショート 602)
親子関係の改善のやり方。
①わが子に声をかける。
②雑談をする。
③わが子の話に耳を傾ける。
④理解に努める。
⑤共感をする。
この5つの手順で進めればいいことは、
何回か説明している。
注意点も解説した。
では、
もうはるか前過ぎて忘れているであろう
GKくん(宮崎西高校理数科出身)の話に戻る。
(第1回~3回「親子関係参照」)
「1.調査」から始まったGKくんの学力。
この調査でハッキリわかったことがあった。
それは、
国語の学力が極端に低いということだった。
国語の学力が低いことは一番まずい。
なぜならば、
教科書も参考書も学校の授業も塾の指導も、
すべてが「日本語」で行われているからだ。
すべての瞬間に機会損失(ロス)が出ることが確定。
例えば学校での国語の授業。
これを受講していてもほとんどの生徒の学力は、
上がらない。
理由は自分の頭で考えないからだ。
ほとんどの生徒が授業中ずっと、
黒板の内容をノートに書き留めている。
これでは単なる「書写」と変わらない。
授業の時間を活かせるという段階の前。
板書するということは、
勝負の力点が授業の時間内ではなく、
自宅学習の時間内に移行してしまっている。
つまり、
自宅学習時間内において、
「なぜこのような解答になるのだろうか」
これを自分の頭で徹底的に考え抜かないとダメ。
この考え抜く時間中に生徒自身の頭の中で、
「化学反応」が起きる。
こうならないと「真の学力」は養成できない。
この「考え抜く」という行為だが、
これが授業中になかなかできない。
教師は教科書の本文の説明をすることに集中して、
生徒の理解度チェックは行われていない。
国語のような語学の学習は、
教師と生徒との間で「交流」できれば、
じつは飛躍的に学力が向上する。
私はこのやり方で、
60点未満(100点換算)の生徒たちが、
本番(センター試験時代だが)で、
満点をとるという経験を何度もしている。
ただし、
正直に言うとこれは「現代文」に限ってだ。
そういうわけで私個人としては、
「国語(現代文)はディスカッションで伸びる」
という確信をもっている。
もうひとつ指導ノウハウを特別に披露するが、
「小論文はディベートで伸びる」
これも何度も実証済みである。
国語という教科は3つの科目で構成されている。
1.現代文(評論文、小説文)
2.古文(日本の古典)
3.漢文(中国の古典)
現代文と古文・漢文の学習方法は違う。
古文と漢文は英語と同様に、
1番目に古典文法(古文)と句法(漢文)、
これは英語で言うところの英文法だが、
ここから始めれば効果が出る。
2番目は「音読を徹底する」こと。
だがGKくんは…、
このやり方以前のレベルだった。
国語力が低いおかげで、
彼の学習効率や効果は悪影響を受け続けた。
中学時代の国語の勉強不足が、
高校生になってからの彼を、
いつまでも苦しめ続けた。
(続く)