塾長の考え(国公立医学部医学科受験)12
「この授業は今の自分にはできないな…」
30年前に北斗塾(前身は北斗秀明館)を、
宮崎市の大塚町というところに創立して、
「成績が上がらなければ塾ではない!」
をモットーにスタートした。
創立したその年に、
私は毎日夜中にある場所で、
一流と言われる予備校講師の講義を受講した。
正直言ってだれにも邪魔されない環境で、
受講していたのだが、
毎日の業務の後だったためとにかく眠かった。
いろいろなタイプの講師がいて、
それはそれはおもしろかった。
そもそもわかりやすい授業だし、
各講師のキャラクターが際立っていて、
それも良かったと思う。
さて、
ここからが本題だが、
「授業がわかりやすい」
からといって学力が向上するわけではない。
「授業がわかりやすい」
からといって成績が上がるわけではない。
成績や学力というものは、
正確に(本質を)理解したことを、
何度も暗記し直して長期記憶に変換して、
実戦を積むことで応用力を錬磨する。
この結果手に入るもの、
それが「成績」や「学力」である。
理解×記憶×実戦=成績(学力)
これは私がつくった公式。
今でもこの公式通りの結果が出る。
「授業がわかりやすい」
からといって成績が上がるとしたら、
それはその生徒が第1段階にいるから。
第1段階で苦しんでいる生徒だからそうなる。
第1段階とは「理解」の段階である。
よって、
ここの段階で苦しんでいる生徒とは、
1.その教科(科目)の基礎力がない。
2.国語の読解力が弱いため理解できない。
いずれかの理由で苦しんでいる。
「理解」の段階で。
予備校講師とは高校の先生とは人種が違う。
「一流」(かどうかはわからないが)、
そう称される講師の特長として、
必ずとっておきの「ネタ」をもっている。
「ネタ」とは何か?
それは特定の問題を裏技的に解く技術である。
この点で言うと、
まるで彼らは漫才をやる「芸人」である。
お客さん(生徒)に喜んでもらう。
これを意識して授業をする人種が、
予備校講師というものである。
だから、
彼らの授業を受けると最低でも1回は、
「え、何、それ!?」
みたいな解法(ネタ)が出てきて、
うぶな予備校生のハートをつかむ。
いや、
いい年をしたM塾長やH塾長も興奮していたから、
その解法(ネタ)は大人にも有効なのである。
…本質をよくわかっていない大人には。
わかりやすい授業をしているのは、
特定の予備校だけではない。
この世に存在する予備校の数以上に、
「予備校講師」はいるわけであり、
その講師みながよい授業をしている。
その授業を受ければ生徒みなができるようになる!
それが事実ならば、
大手予備校に通っている生徒の誰もが、
翌年志望大学に合格していなければならない。
そんなことは起きていない。
つまり、
「授業がわかりやすい」
とは学習を進めるうえで大切な要素だが、
それが「すべて」ではないのだ。
(続く)