塾長の考え(九大受験)5
生徒1人ひとりで学習のペースは違う。
この事実を無視して指導すると、
本来ならば学力が伸びていくはずの生徒が、
そうはならなくなってしまう。
学校であれば集団授業なので、
そもそも1人ひとりの「事情」を、
考慮した指導方法ではないので、
授業の内容が理解できる生徒と、
理解できない生徒がでてくることは、
あたりまえ。
中学1年生のSくん。
毎日「1.5」時間だけ北斗塾にやって来ては、
その時間一生懸命に勉強に取り組む。
中学校では部活動も頑張っているが、
勉強だって同じように頑張っている毎日。
まだ小学生のようなあどけなさも残っている。
今年度に入って中学校のテストは3回あった。
1回目のテストの成績が出てから、
大いに反省。
それを活かして再度勉強を頑張った。
2回目のテストの成績は、
1回目のテストの成績よりも学年番数で、
8番上がった。
「良かったね!」
気を良くしてまた勉強に取り組む。
「毎日楽しい」とは本人の言葉。
「こんばんは~」
きちんとあいさつして今日も塾にやって来た。
勉強と部活動、
大変だろうけど両立できている。
「えらいね!」
「はい!(ニッコリ)」
3回目のテストが行われて、
成績が先日返ってきた。
結果を確認してみた。
3回目のテストの成績は、
2回目のテストの成績よりも、
学年番数で18番上がっていた。
「どんどん上がっていますね!」
「はい」
この「はい」というセリフはお母さん。
先日の面談中での言葉。
笑いながらいろんな話をした。
昨年度の生徒たちが合格したときの話、
いろんな生徒のいろんなエピソードを、
匿名で話した。
お母さんからすれば、
「うちの子もそうなってくれると…いいな」
さて、
中学生のSくん。
お母さんの話によると、
どうやら将来の夢は薬剤師だということが、
今回の面談で判明した。
中学校の説明会で学校の先生が、
「昨年度の実績です」
ということで特定の卒業生の話をしたそうだ。
その卒業生のことを誇らしげに話してくれたと。
そして見事「〇〇大学の薬学部」に、
特待生(その学校初)で合格しました、
と話したらしい。
他のお母さんたちはわかっていなくても、
Sくんのお母さんはその卒業生が誰なのか、
「私にはわかっていました」と話してくれた。
その卒業生とは、
昨年度北斗塾に在籍していた塾生だったからだ。
「あ、〇〇さんにはわかっていたのですね」
「あ~、あの子だな…とすぐにわかりました」
「アハハ」
私はSくんのお母さんに約束している。
あと1年半以内に息子のSくんを、
その学校の学年で10番以内に入れることを。
数か月前にこの話をしたときには、
「なりますかね…なれればうれしいですけど…」
「なりますよ」
「でも…、うちの子の成績では…どうですかね」
「大丈夫ですよ」
そんなやり取りをしたけれども、
今回の面談ではにっこりと笑って、
私の話を真剣に聞いてくれた。
(続く)