塾長の考え(ショート 603)
親子関係が良くないと悲しいだけではすまない。
本当に大切なもの。
それを受験勉強の効率のために失ってはダメだ。
①わが子に声をかける。
②雑談をする。
③わが子の話に耳を傾ける。
④理解に努める。
⑤共感をする。
この5つの手順で進めればいいことは、
前回も提示している。
引き続き解説をしてみる。
まず①はいいとしても、
②の段階に進んだ時の心構えの確認だ。
それは、
「楽しい話題も入れていく」
ということだ。
雑談とは何か?
それはやればやるほど関係性が深まるもの。
「あいさつのやり取り」
「最低限の会話」
「事務的な会話」
これら3つの上位にあたるものである。
雑談とは関係性の構築に有効なものである。
これを軽んじてはいけない。
次に③だが、
ここが難所中の難所である。
「わが子の話に耳を傾ける」はずが、
聞いているうちにイライラしてきて、
「教えてあげなきゃ」
と思って正論をかざしたりする。
その時点でアウトだ。
お父さんやお母さんの武勇伝はいらない。
ここで「武勇伝」と言ったが、
正確に言うと、
「自叙伝(じじょでん)」と言う。
これがわが子には全くいらない話なのだ。
「自分の経験談や若い頃の話はダメなのか?」
そういうことではない。
それらの話は子どもだって聞いておけば、
自分の人生において役に立つはずであり、
後々そのおかげで助かることも多々あるだろう。
「経験談」は全然いいことなのだ。
だが、
関係性を修復または回復したい段階では、
ほとんどいらない。
このときは、
「タイミングではない」のだ。
ただし、
わが子から求められれば、
当然のことだが大いに話していい。
求められていない段階で、
親の感情で「自叙伝」を披露してはいけない。
目的は何か?
ここをブレてはいけない。
親御さんがわが子と話すときには、
毎度これを意識しなければならない。
「自叙伝」は求められた時だけ!
次に④だが、
わが子の話に耳を傾けるだけで、
話の内容を理解しないのなら、
これは歯車が一気に逆回転をする。
かえって関係性が一気に悪化する。
「何もわかってくれない!」
こうなり、
本来の目的から大きく外れていくことになる。
理解をしてあげることが、
どれだけわが子に「安心感」をもたらすか。
この影響力は父親でも母親でも同じ。
とてつもなく大きい。
親御さんたちは子どもにとっては、
わが身をずっと守ってくれてきた存在であり、
「安心感」を与えてくれる存在である。
その「安心感」は、
わが子の話を理解するだけで、
親御さんは勝ち取れるものなのだ。
ただただ「理解」してあげればよい。
最後に⑤だが、
理解した後は「共感」することだ。
ここで要注意。
「共感」と「同情」はまるで違う。
似ているようで全然違う。
ここを混同してはいけない。
共感とはわが子の立場に立って、
わが子の感情を親御さんが味わうこと。
これで「信頼感」を勝ち取れる。
(続く)