塾長の考え(期末テスト)⑩
HKちゃんは東京出身の女の子(一応、22歳)。
再度確認、3浪目の結果はこうだった。
予備校は「集団授業」と「個別指導」の、
両方のコースが同時に受講できる状態だったが…
1.理解できる問題は増えても成績が上がらない
2.質問ができる環境だったが成績が上がらない
3.自習室に通い詰めても成績が上がらない
4.予習も復習もできたが成績が上がらない
まず、「1」について。
なぜ理解できる問題が増えても、
合格することができなかったのか?
大学受験で合格するためには、
完璧に近い基礎学力のキソ学力が必要。
この「キソ学力」とは中学校までの学力を指す。
ここに難がある限り大学受験合格は難しくなる。
特に上位大学の場合はこれが顕著に影響する。
「何とかなるっしょ!」
などということはまず起きない。
厳しい現実(不合格)が待っているだけである。
当然ながら私立大学の医学部医学科受験の場合は、
この事実にあてはまるし、
そもそも医学部受験なので、
国立の上位大学に相当する学力が当然ながら必要。
私立大学なので、
教科が「英語」「数学」「理科」の3教科受験だが、
これらの教科の偏差値は河合塾予備校の基準だと、
「62.5」
この数字が合格するためには間違いなく必要。
さらに…、
各私立大学の入試問題は、
「これでもか!」
と言わんばかりに傾向がまるで違う。
狙った大学の過去の入試問題に精通していないと、
まず合格点を取ることはやる前からほぼ不可能。
なぜならば、
1つひとつのオリジナルな問題に対して、
攻略するためのトレーニング方法は違うからだ。
義務教育時代の中学生の高校受験対策とは、
まったくもって次元が違うのだが、
そのことを認識していない受験生が多い。
よって、
予備校が驚異的な情報収集力により集めた、
昨年度の入試問題の中から厳選された良問、
および典型問題を丁寧に編集したテキスト、
それであっても、
実際には各私立大学に対しての個別対応、
それが十分にはできていないのが現実。
最大公約数的なテキストでは、
残念だが突き刺さらないのだ。
しかしながら、
そのテキストの問題が解けるようになれば、
私立大医学部に合格できると信じて勉強する、
それが予備校生という存在である。
HKちゃんもそうだったのだ。
結果は不合格になったときに、
本人も親御さんも「なぜだ?」となることは、
自然なことである。
(「1」に対しての結論!)
予備校で使用するテキスト、
それに掲載されている問題に対して、
理解できる問題が増えたくらいでは合格しない。
まだまだ「別の要素」が足りていない。
(続く)