塾講師のやる気の源とは?(その10)
HKちゃんの1年目と2年目の動きを、
もう1度確認する。
★HKちゃんの動き
【1年目】
①毎回の予備校の授業の予習をする。
②自習室を毎日使用して勉強する。
③ときどき授業の復習をする。
【2年目】
①毎回の予備校の授業の予習をする。
②自習室にはとにかく毎日通って勉強する。
③必ず授業の復習をする(はずだった)。
【入学して1年後にわかったこと】
【1年目】
●定着している問題とそうでない問題がある
●わからない問題はそのままで解決していない
(生徒が大人数のため自分の質問ができない)
【2年目】
●全体的に扱う問題が難しくなり困惑
●わからない問題はまず解決できないまま
(生徒が大人数のため自分の質問ができない)
【反省点】
【1年目】
1.本人が全部理解できるかは別問題だった
2.大手予備校では質問ができる状態ではなかった
3.自習室は自学だったため効果が薄かった
4.復習は自己管理なので十分できていなかった
【2年目】
1.理解できない問題が昨年より多くなった
2.やはり質問ができる環境ではなかった
3.自習室はがんばって通い詰めたけれど…
4.予習もままならないし復習にも手が回らない
以上より判明したことは、
①毎回の予備校の授業の予習をする。
→だからといってすべての問題は理解できない!
②自習室にはとにかく毎日通って勉強する。
③必ず授業の復習をする。
→予習に莫大な時間をかけても効果は?
→復習はしたりしなかったり。
※復習はしなくても誰からも叱られないから。
(結論)
自習室に毎日通って効果を上げるかどうかは、
生徒によってやり方と徹底さに個人差があるため、
有効な場合とそうでない場合がある。
自習室に毎日通ったからといっても、
予習のやり方が下手な生徒は効果を上げない。
復習する以前の問題として、
授業内容を完全理解していなければ、
復習する意味がない。
復習とは、
授業の完全理解を前提とするため、
復習しようにもその前に理解していないので、
復習の効果そのものが期待できない。
つまり、
授業を毎回完全理解することは不可能に近いため、
その状態で自習室に毎日通っても、
効果は上がらない。
そもそも基礎学力が乏しい生徒にとって、
自習室で予習をすることは非効率的であり、
膨大な時間がかかる割には効果が薄い。
結果的に、
毎日自習室に通って学習したところで、
そこが塾であれ予備校であれ、
実際には学校と同じ結果が待っている。
理解力がある生徒だけが成果を出す現実。
要するに、
毎日自習室に通っただけで、
明らかに成果が出るのは元々優秀な生徒だけ。
例えば東大や京大に合格するような人たち。
毎日自習室(塾&予備校)に通ってみても、
普通の生徒はなかなか成績が上がらない。
真のポイントはそこではないのだ。
(続く)