塾長の考え(北斗塾とは)⑥
「あの~、質問があるんですけど…」
Cくんが講師に化学の問題を、
質問しようとしているところを目撃した。
通常ならばそのままでいい。
だが、
2月のときにかなりレベルの高い化学、
つまり九州大学クラスの難易度の化学、
それをかなり演習したのに?
今は基礎レベルの化学の演習を、
最初から順番に学習し直しているので、
てっきり質問などはないはずだと、
私自身が思い込んでいたので、
「ちょっと、その質問はこちらに!」
「あ、はい」(Cくんの決め文句)
ということになった。
学習室からいったん退出して、
別室での1対1での個別指導となった。
「どの問題かな?」
「あ、はい、これです」
「ふ~ん…」
「(1)の問題がわからないので…」
「うんうん」
「(2)もわからなくなってしまい…」
「うんうん」
「その2つがわかれば…」
「うんうん」
「(3)と(4)もわかると思うんですけど」
「ふ~ん」
「…」
「じゃあきちんと問題文を読んでみようか」
「あ、はい」
問題文の趣旨を確認しながら読んでいく。
声を出しながら私が読んでいく。
途中途中で大事な点をマーキングしながら、
①何が条件で、
②何がポイントか、
③出題者の意図は何か、
これらを説明した。
Cくんの表情を確認しながら進める。
いよいよ準備段階が終わり、
(1)の問題文を読み上げる。
前半部分を読み上げていくときに、
Cくんの様子から判断すると、
集中して私の声を聞いており、
設問の内容が十分に理解できていると、
私の方は感じていた。
ところが!
後半部分の問題文を読んでいるときに、
Cくんの集中力がいくらか落ちた瞬間を、
カメラがしっかりととらえたのだ!
いや…カメラではなくて、
私の目がとらえたのだ。
「(はは~ん…、なるほどね)」
じっとそのまま問題文を見ているCくん。
いまだに問題がわからないといった表情だ。
ここで間を置いた。
本人の思考力を伸ばさないといけないので、
安易に解説をし始めてはいけない。
じっとCくんの様子を私は見ていた。
Cくんが考えてもわからないという合図、
つまり目線を私の方に向けてきた。
私が質問を彼に投げかける。
①「この問題のここは意味がわかる?」
(この部分は明らかに化学の内容)
「あ、はい」
「どういう意味かを説明してみてよ」
「あ、はい」
Cくんの説明は完璧だった。
「OK、よくわかっているね」
「あ、はい(ニッコリ)」
②「この部分の意味はわかる?」
(この部分は化学の内容ではない!)
(国語力が問われている内容だ)
「えっと…」
「…どうなの、わかる?」
「え、これは…こういうことですよね?」
「いや、違うけど…」
「!」
この後私が説明したのは国語の内容。
要するに化学の質問を持ってきたが、
指導内容は問題の読み間違えの部分。
こんな理由(国語力不足)で、
問題を解けなくなる生徒が多い。
だから、国語力の鍛錬が必要なのだ。
(続く)