情報大洪水の時代(その19)
前回に引き続き国語の話。
冷静に考えてほしいのだが、
積み重ねを必要とする教科で、
飛び級のやり方で指導しても、
絶対に上手く行かない。
国語だとすぐに勘違いするから、
例えば、
各学年で習う算数(数学)、
この学力がほぼ完璧だとしよう。
つまりその教科だけは、
学年トップの学力(100点)とする。
そういう生徒がいると仮定する。
小4→3級。
小5→2級。
小6→1級。
中1→初段。
中2→2段。
中3→3段。
高1→4段。
高2→5段。
高3→6段。
難関大学(九州大学)→7段。
超難関大学(東京大学)→8段。
とレベルを設定してみる。
学力が2段(中2)である生徒が、
5段(高2)の指導を受けたら、
どうなるか?
5段(高2)の内容を教える先生が、
一流講師だったら、
指導相手が2段(中2)の学力でも、
「あ、(僕でも)数学がわかる!」
となるかどうか。
それで理解できるのなら、
中2の学力程度の数学がわかれば、
指導者が一流の場合なら、
高2の数学でもわかるという理屈になる。
そんなことは絶対にない。
こういうことに気が付かない生徒、
あるいは親御さんたちはいずれ、
悲惨な結果を見ることになる。
これは大げさではない。
予備校の講師はこの辺のテクニックには、
かなり長(た)けている。
わかるはずのない講義内容を、
わかったように錯覚させるくらいは、
お手のものだ。
一流講師が1対1で指導すれば、
中学2年生の生徒であっても、
高2の数学が理解できる。
…絶対にありえない。
それは国語でも同じことだ。
ではどうするのか?
足元を固めていかなければいけない。
基礎からコツコツと学習しないといけない。
「楽して、一気に成績アップ!」
そんなことは受験勉強では起きない。
暗記大会的な要素が強い中学のテスト。
つまり中間テストや期末テスト。
事前に学校から配られるプリントの、
答えを次から次へと丸暗記して、
理解できていてもできていなくても、
「問題を見れば解答を書けるよ!」
そこまで直前に学習できていれば、
そのときには当然点数を取ってくる。
学年の番数が50から100くらい、
ポーンと上がった成績表を持ってくる。
「どうだ、すごいだろ!」
…それは一時的なもの。
次回のテストまたはその次のテスト。
その成績表を見てみればすぐにわかる。
リバウンドした結果がそこにはあるから。
このやり方では、
高校受験までは突破できても、
大学受験は突破できないのだ。
実業系の高校に進学する生徒はいい。
普通科(進学コース)に受かった生徒は、
大学に進学してこそ初めて金の卵。
中学生時代に暗記大会用の訓練を塾で、
そう、塾で受けたがために、
大学受験では砕け散るのだ。
今の時代は「一流講師」とやらが、
宮崎にはなかなかいないから、
都会の講師がカリスマ的な感じで、
パソコンの画面に登場してくる。
そこに奇跡が起きる!
…そんなことは起きない。