塾長の考え(全統記述模試)前編
昨日宮崎県立高校の合格発表日だった。
本部以外の各教室の先生から、
「県立高校 100%合格」
「全員 合格してくれました」
と夕方に報告があった。
(ちょっと遅いけどねぇ)
各先生たちありがとう、感謝します。
ところで29年前のこの日。
私は塾長として初めての合格発表日、
そう県立高校合格発表日を迎えていた。
朝からずっと緊張して大変だった。
自分の受験のときよりもずっと大変。
比べることさえおかしいと思えるくらい、
緊張していた。
わが子たちではなくても、
わが生徒たちが合格するかどうかは、
冷静な状態で待てるものではなかった。
果たして、その結果は?
今でも昨日のように思い出せる。
県立高校普通科に行きたかった女の子2名。
商業高校に行きたかった女の子1名。
合計3名。
この子たちが不合格となった。
このときの辛さは今でも覚えている。
塾長としての責任を痛切に感じた。
自宅に帰ったときは涙が止まらなかった。
親御さんたちに申し訳なくて、
生徒たちに申し訳なくて、
本当に申し訳なくて。
「もう(塾を)やめたい!」
本気で発表当時の夜にそう思った。
他人さまの大切な子どもを1年間も、
県立高校に合格させてくれる塾だと、
期待させておきながら、
それなのに、このザマは何だ!
自分の未熟さのせいで塾生が3人も、
一生懸命に直前まで塾に、
合格したくて通ってきていたのに、
受験に失敗した!
あってはならないことが起きた。
大学出たての若造が始めた学習塾。
ただでさえ怪しい。
経験値の低さは言うまでもない。
この地区にある塾の中では、
ダントツに低い。
それを承知の上で預けてくれた、
親御さんたちのお子さんを落とした。
どのつら下げてご近所で買い物できる?
どのつら下げてご近所で外食できる?
できるわけがない…。
親御さんたちに合わせる顔がない。
合格した生徒は、
発表翌日には新聞に名前を掲載された。
発表当日はラジオで名前を読み上げられた。
自分の塾の生徒の名前が読み上げられては、
受験生の名簿に「〇」をつけ、
塾の教室内でガッツポーズをとり、
名前が呼ばれなかった生徒がいることに、
気が付けば愕然(がくぜん)とした。
塾内でその子たちと話したときの、
屈託のない笑顔が次々と頭に浮かぶ。
「無力とはこのことか!」
「何で救えなかったんだよっ!!」
自分を責めて髪をかきむしった。
あれから29年。
まだまだ物足りないとか、
もっとやってくれるはずだよねとか、
自分以外の講師には大いに期待するが、
もうすでに現時点であの時の自分よりも、
塾長だったあの時の自分よりも、
数段上の指導力があるんだなと、
今回思わされた。
素直に感謝したい。
どうもありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。