塾長の考え(塾生全員の大学合格率)
総合問題の対策であれ、
大学入試2次試験の対策であれ、
本当に有効な指導をしようと思えば、
「生徒の思考経路」を追跡することになる。
(生徒の)思考経路とは、
問題を読んで解こうとするときの、
思考プロセスを言う。
例えばある問題を解くときに、
Aの要素(問題の要点把握)
Bの要素(解法の選択)
Cの要素(解法の組み合わせ)
Dの要素(論述の流れ)
Eの要素(減点ブロック)
主に5つの要素がある。
さらにこれらにはイメージで言うと、
A1→A2→A3→A4
B1→B2
C1→C2
D1→D2→D3
E1,E2,E3…
のようなプロセスを経る。
このプロセスを生徒の口から言わせたり、
生徒の答案を解析することで、
講師の頭の中に、
生徒の頭の中身をトレースするのだ。
何が生徒の思考経路の中で起きているのか、
それを講師として正確に把握することが、
「個別指導」前の段階、
「個別分析」というものだ。
この技術を使うことで、
質の高い個別指導ができるのだが、
これがキャリア不足のアルバイト学生講師は、
どうしてもうまく出来ない。
ベテランの家庭教師で本物中の本物の、
指導技術力を持っている講師であれば、
このトレース技術を習得しており、
なおかつ生徒の志望校の入試問題の傾向も、
3~5年分くらい把握しているため、
最大限に効果的な個別指導ができるのだ。
先の例で言えば、
A2に問題点があればその1個前から。
C2やD3に問題点があればその1個前から。
該当する箇所とセットで同時に解説する。
最後にE1,E2,E3などのポイントは、
生徒の口から必ず1つずつアウトプットさせて、
それを講師がチェックするという工程で、
個別指導が終了する。
小さな白板が用意されており、
講師が1対1または1対2形式で、
個別指導するというやり方を採用している。
そんな個別指導塾はとても多いが、
それは正確に言うと「個別授業」であり、
トレース技術を使っていない。
生徒から質問があって講師がその場で答える、
この双方向性の実現が一見有効であるように、
思えるものの実際はテストでの「再現性」が、
低くなるためテストでの得点に結びつきにくい。
それは前後の関連性を生徒本人に「つかませる」、
この作業が抜けているためである。
「何でこの問題を間違っていたの?」
「塾では教えてもらってわかっていたんだよ」
「テストのときには忘れていたの?」
「…忘れていたのかなぁ」
「しょうがないわねぇ…」
この会話が親子で行われる決定的原因である。
(続く)