塾長の考え(父親)③(終)
「塾長!お話があるんですけどっ」
「何、どうした?」
「学校の担任と話したんですけどっ!」
「何を?」
「志望学科のことで」
「は、何かあった?」
「実はですね、変えようと思いまして…」
「ん、何で?」
「実はですね、俺に合った学科が見つかりまして!」
「あ、どういうこと?」
「●●学部の■■学科です!」
「(絶句)…、何でそうなった?」
「まあまあまあ、落ち着いてください、説明しますからっ!」
Aくんの話が始まった。
塾長の言いたいことはわかるんすよ、
でも、今から俺が言うことはもう決まったことなんすよ。
私が話そうとするとまずは自分の話を聞いてくれと頼んでくる。
中身はこうだった。
担任の先生が言うにはAくんの学力(の低さ)から考えて、
面接の配点が合計点数500点のうち300点もある、
そんないいところ(学科)を俺(担任)が見つけたぞ。
面接だったらお前はハキハキしゃべる性格だから、
おそらくは満点を狙えるだろ?
問題は面接以外に学科試験があることだ。
それは国語(100点)と数学(100点)だ。
今から死ぬ気で頑張れば半分の50点くらいは、
(お前でも)取れるんじゃないの?
それで見事、トータル400点!
つまり2次試験の得点率は80%になるので、
これで合格できるだろっ、なっ!(笑)
この話に親御さんも本人も心底納得。
後は学科選定で塾長に協力してもらったから、
いかにして塾長(私)をうまく説得するか。
この時点ではすでにそういう段階になっていたのだった。
(続く)