情報大洪水の時代(その15)
Aくんの共通テストの合計点数はこの時点で国立大学に合格可能。
問題は第1志望の国立大学で実施される2次試験で点数を取れるかどうか。
1.受験教科は何か。
2.その難易度はAくんでも耐えうるレベルの難易度なのか。
志望している大学の2次試験は「総合問題」だった。
「総合問題」とは国語や数学などといった単教科ではなく、
複数の教科が組み合わされて作成される問題で、
読解力や思考力、表現力などの総合的な力を見る問題形式だ。
これは攻略するのに指導の工夫がいる入試問題で、
並の塾講師であれば対策を上手く立てられないだろう。
この「総合問題」の攻略法のヒントは「分解作業」にある。
説明していると専門的になりすぎるので省くが…。
さて、その「総合問題」。
Aくんに昨年のものを解いかせてみた。
結果は…今後の指導次第で何とか行けそう。
「意外と簡単じゃん!」
浮かれたAくんは、その喜びを翌日学校のクラス担任に話す。
「俺、けっこうできたんすよ、総合問題が!」
「ああ、お前ができるような(簡単な)問題なら、みんなができるだろうがっ!」
「あ…、なるほど、そうっすね…ははは…」
「それよりもお前が受けた方が受かりそうな学科があるぞ」
「え、どこっすか?」
「●●学部の▲▲学科だよ」
それまで一切考えたことのない学部の学科名が提示された。
「お前はハキハキとしゃべれるから面接の点数が多いところがいいんだよ」
「お~、なるほどっすね…」
「でな、面接で満点取れば300点取れるだろ」
「はいはい」
「それで残りは国語と数学だ」
「はい」
「それをそれぞれ半分の50点ずつ取れれば合計400点!」
「なるほど!」
「500点満点の8割だから合格できるってことだよ」
「おお~、わっかりました!あざ~すっ!」
(続く)