字図、地図、公図・・・?
●境界問題・境界争い
皆さんが所有されている土地、境界はご存じですか。境界とは、ご自分の土地と、隣の土地との境目。あるいは、ご自分の土地と公道(国、県、市、町、村道)との境目を指します。
その境界に垣根、塀、鋲、杭などが設置されている場合、「境界問題は起きにくい」と言えます。境界に上記の目印が何もない場合、悪意、若しくは善意により、隣の方が勝手に自分の土地を広げるように土地を使用し、または勝手に垣根、塀、鋲、杭などを設置し、その数年後に、ご自分がその違和感(自分の土地が狭くなっていないか?)に気づき、境界問題に発展する、というのが典型的な境界問題発生のパターンです。
境界に垣根、塀、鋲、杭等が設置されている場合「境界問題は起きにくい」と述べましたが、実は必ずしもそうとも言い切れないのです。土地家屋調査士の業界では有名なのですが「境界殺人」という小説があります。2003年3月初版、小杉健治氏著で、女性土地家屋調査士が依頼を受けた事件の中で、境界争いを原因とし殺人事件が起きてしまう、という内容です。テレビドラマ化もされまして、女性土地家屋調査士役は、黒木瞳さんが演じられておられました。
この小説の中に「朝起きたら境界杭(コンクリート杭)が無くなっていた」というシーンが出てきます。そうなのです。境界に垣根、塀、鋲、杭などが設置されていても、悪意に撤去、移動される場合もあり、境界問題・境界争いは根が深いものとなるのです。
●境界立会・境界確認
①境界問題・境界争いを解決しましょう
土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記につき必要な土地または家屋に関する調査及び測量を行う専門家であり、境界のスペシャリストと言えます。
「公法上の境界」である『筆界』(筆界については、別のコラム『筆界特定制度 『筆界』・・・?』をご覧ください)も考慮し、争っている両者の間に入り、正しい境界を現地に示し、その根拠を伝え、正しい境界について、納得いただく説得をします。隣の方が頑固に自分の主張を固辞される場合は、筆界特定制度を利用することとなります。
②未来永劫、境界問題・境界争いが発生しないよう、準備しましょう
隣りの方と仲の良いうちに境界立会・境界確認、測量を実施し「立会証明書」「境界確定図(地積測量図)」を作成します。この時に垣根、塀、鋲、杭などを設置することも効果的でしょう。
この「立会証明書」「境界確定図(地積測量図)」(土地家屋調査士の職印あり)が存在することが、将来の境界安定について大きな意味を持つのです。この「立会証明書」「境界確定図(地積測量図)」は、(1)ご自分(2)隣の方(3)土地家屋調査士の3者が保有することが重要です。
もし何らかの理由で将来問題が起きた時に、3者の誰かがこれを提示することによって、過去に境界が決定済み、ということで問題は解決するのです。仮に、境界問題で裁判となっても、資格者である土地家屋調査士が作成し、職印を押印した「立会証明書」「境界確定図(地積測量図)」は大変有効な証拠となり、問題解決の一助となります。
この、隣りの方と仲の良いうちに境界立会・境界確認を実施する手法を、当事務所では
『アクティブ(積極的、自発的)な境界立会・境界確認』と名付け、推進し、未来永劫、境界争いを無くすことができる効果が期待できます。
祖父、父の代には境界争いなど無かったのに、子の代になって「隣と些細なことで仲が悪くなり、平穏だった境界についても文句を言い出し、境界争いになった」「第三者から、うまくやれば土地が広くなるぞ、と入知恵され、境界争いになった」という例が過去にありましたが、今後はこんな話は皆無となります。
この『アクティブ(積極的、自発的)な境界立会・境界確認』、興味を持たれた方は、是非ご連絡お待ちしております。そのほか、土地・建物の登記全般についても相談をお受けいたします。
相談は無料です。何処までもお伺いします。お気軽にご相談ください。