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⑧:脳は“未来”をどう描いているのか?

森億

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テーマ:日常生活に活かす脳の使い方シリーズ

シリーズ⑧:脳は“未来”をどう描いているのか?
~“叶うイメージ”が行動を変える理由~

1.「未来を描けない人」は動けない
やりたいことがあるのに、なかなか動けない。
目標を立てたのに、続かない。
そんなとき、実は脳の中では“未来のイメージ不足”が起きているのかもしれません。
脳は、「行動する前に“未来を予測する”」ようにできており、
そのイメージの質が、行動の質を決めるのです。

2.未来を描く脳の中枢は「海馬」と「前頭前野」
=海馬(かいば)
過去の記憶だけでなく、「未来のシミュレーション」も担当
「まだ起きていない出来事」を思い描く際に活性化する
=前頭前野(ぜんとうぜんや)
計画・意思決定・自己制御を担う
海馬がつくった“未来のイメージ”を元に、「今、何をすべきか」を判断する
この2つが連携して、“未来記憶”=セルフイメージをつくっているのです。

3.事例:未来が描けず動けなかった大学生
事例:大学3年・Tさん
将来のビジョンが描けず、就職活動に手がつかない状態が続く。
コーチングで「理想の5年後」を書き出すワークを実施。
海馬の未来記憶を活性化し、「なりたい自分」のイメージを言語化したところ、 行動意欲が急激に高まり、具体的なステップを自分から起こせるようになった。

4.脳は“イメージに沿って”行動を選ぶ
人は無意識のうちに、「自分はこうなるだろう」「こんな未来が来るだろう」という
イメージに沿った行動を取りやすくなる性質があります。
これを脳科学では「予測符号化(predictive coding)」と呼びます。
つまり、「どうせ無理だ」という未来像を持っていれば、 脳はそのシナリオに従って「動かない理由」をつくり出します。
逆に、「達成している自分」を繰り返し描ける人は、脳が自然とそこに向かう行動を選び始めるのです。

5.“叶う未来”を描くための脳の使い方3つのコツ
① 未来を“感情とセットで”イメージする
海馬は、「感情をともなった記憶」に強く反応します。
ただ目標を描くだけでなく、それを達成したときの嬉しさ・誇らしさ・解放感までリアルに思い描くと、「 未来記憶」は、強化されます。
→「五感」を使ってイメージする:見える景色、聞こえる声、感じる空気など。

② 紙に書き出し、目に見える形にする
思い描くだけでは、前頭前野は働きません。
書いて、見て、読むことで前頭前野が活性化し、「現実に向けた行動計画」へと変換されやすくなります。

③ 小さな“達成体験”を未来の証拠にする
未来のイメージが大きすぎると、逆に不安になります。
「未来に近づいている」という実感を得るには、小さな一歩(例:メール1本、5分の行動)を毎日積み重ねることが重要です。

6.なぜ“うまくいく人”は未来が明確なのか?
成功している人の多くは、「今、何をするか」ではなく、
「未来の理想像にふさわしい自分なら、今どうするか?」で判断しています。
これは、海馬の未来記憶と前頭前野の計画力を使って、 現在の行動を“未来から逆算”して選んでいるからです。

まとめ:「未来は、脳の中に先に存在する」
脳は、未来を“見る”のではなく、“創る”もの。
叶う未来を現実にするには、その臨場感あるイメージをまず脳に植えつけることが第一歩です。

「イメージできる未来は、現実になる準備ができている未来。」
今日から、“未来を描く脳の使い方”を始めてみませんか?

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森億
専門家

森億(プロコーチ)

fine lab.(ファイン ラボ)

35年の中高大の教員経験と、バスケットボール競技での豊富な実績をもとに、パフォーマンス向上を導く「fine理論」を構築。セルフトレーニングとチームビルディングの両輪で企業セミナーや人材育成を行います。

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