Mybestpro Members

森億プロはテレビ宮崎が厳正なる審査をした登録専門家です

⑦:「“なんとなく不安”の正体とは?」

森億

森億

テーマ:日常生活に活かす脳の使い方シリーズ

シリーズ⑦:「“なんとなく不安”の正体とは?」
~不安をつくり出す脳の回路と対処法~

1.理由はないけど、不安が消えない…
特に問題があるわけでもない。
でも、なんとなく落ち着かない。胸がザワザワする。
そんな「漠然とした不安」に悩まされた経験、ありませんか?
それは決してあなたが“心配性”だからではなく、脳の回路がつくり出している自然な反応なのです。

2.“なんとなく不安”を生み出す脳の正体
=キーワードは「扁桃体」と「内側前頭前皮質」
扁桃体(へんとうたい):
脳の中で「危険」「恐れ」「不快感」に最も敏感な領域。
 → 明確な原因がなくても、“わずかな違和感”に反応して「不安の信号」を出します。
内側前頭前皮質(ないそくぜんとうぜんひしつ):
 感情の意味づけや“自分がどう感じているか”を把握する部位。
 → ここが過敏になっていると、漠然とした気持ちが「不安」にすり替わっていきます。
この2つが連携して、「なんとなく不安」という曖昧な状態をつくり出すのです。

3.事例:朝の通勤前にいつも不安を感じる30代女性
事例:30代・女性会社員Mさん
出勤前、特に理由がないのに「不安」「憂うつ」が湧いてくる。
病院に行っても異常なし。
カウンセリングで「脳の不安回路」が働きやすい体質だと気づく。
毎朝、呼吸法とリスト整理を実践することで、徐々に不安感が減っていった。

4.不安は「脳が未来をシミュレーションしている証拠」
不安とは「未来の危険」を予測する働きでもあります。
つまり、不安を感じること自体は、脳が正常に働いている証拠でもあります。
しかし問題なのは、脳が“あいまいな未来”を過剰にネガティブに予測してしまうことです。
この傾向が強いと、理由のない不安が常にまとわりつくようになります。

5.“なんとなく不安”を軽くする脳の使い方3つ
① 「書き出す」ことで扁桃体を沈める
不安の正体は、「頭の中でモヤモヤと浮かんでいる未処理の情報」。
これを言葉にして書くだけで、前頭前野が働き始め、扁桃体の活動を抑えてくれます。
→「今、何が気になっているか?」「本当に心配なことは何か?」を1行ずつ紙に書く。

② 「不安の種類」にラベルをつける
・未来の不安(例:仕事、人間関係)
・身体的な不安(例:体調、睡眠)
・根拠のない漠然とした不安(例:なんとなく落ち着かない)
分類するだけで、脳「整理がついた」と感じて落ち着きやすくなるのです。

③ 呼吸をコントロールして扁桃体を鎮静化
ゆっくりとした腹式呼吸は、副交感神経を優位にし、「闘争・逃走モード」の扁桃体を沈める効果があります。
→ 4秒吸って、6秒かけて吐く「4-6呼吸法」を1〜2分行うだけでOK。

6.「不安ゼロ」ではなく、「不安に飲まれない脳」をつくる
不安は悪者ではありません。
脳が「未来に備えようとしてくれている」大切な信号です。
大切なのは、不安を「抑え込む」ことではなく、 「客観的に眺める」こと。
そうすれば、あなたの脳は冷静さを取り戻し、次の一歩を考える余裕を取り戻します。

まとめ:モヤモヤ不安には、脳の整頓スイッチを入れよう
不安は「扁桃体」と「内側前頭前皮質」がつくる反応
曖昧な情報を、言葉にして整理することで脳は落ち着く
不安を「感じても動じない」脳を育てることが、レジリエンスにつながる

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

森億
専門家

森億(プロコーチ)

fine lab.(ファイン ラボ)

35年の中高大の教員経験と、バスケットボール競技での豊富な実績をもとに、パフォーマンス向上を導く「fine理論」を構築。セルフトレーニングとチームビルディングの両輪で企業セミナーや人材育成を行います。

森億プロはテレビ宮崎が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

独自理論でパフォーマンス向上を導くコーチングのプロ

森億プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼