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⑤:「怒りが爆発する前に知っておきたい、脳のしくみ」

森億

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テーマ:日常生活に活かす脳の使い方シリーズ

シリーズ⑤:「怒りが爆発する前に知っておきたい、脳のしくみ」
~感情を整える前頭前野の話~

1.「ついカッとなってしまう…」その裏で脳は何をしている?
渋滞でイライラ。子どものひと言にムカッ。
あとで後悔するとわかっているのに、感情が爆発してしまう…。
それは「性格」ではなく、脳の仕組みに原因があります。
怒りは“コントロールできないもの”ではなく、 脳の反応と仕組みを知ることで落ち着かせることができるものなのです。

2.怒りの引き金は「扁桃体」
怒りが爆発する瞬間、脳の中では「扁桃体(へんとうたい)」という部位が強く反応しています。
=扁桃体とは?
危険や脅威を察知し、「闘争・逃走反応」を引き起こす感情のセンサー
特に「怒り」「恐怖」「不安」に敏感に反応
原始的な“生き残るため”の仕組みの名残
つまり、怒りは「感情的な判断」ではなく、生存本能による反射的な反応でもあるのです。

3.怒りを抑える“理性の脳”──前頭前野の役割
怒りの暴走を防ぐもう一つの重要な脳領域が、前頭前野(ぜんとうぜんや)です。
=前頭前野とは?
思考、理性、自己制御、意思決定をつかさどる脳の司令塔
扁桃体の暴走に「待った!」をかける役割を持つ
しかし、強いストレスや疲労時は、この前頭前野の働きが鈍くなるため、
扁桃体の反応を止められず、「怒りがそのまま行動に出る」状態になってしまうのです。

4.事例:怒りっぽさに悩んでいた管理職の変化
事例:50代・男性管理職Kさん
部下にイライラして怒鳴ってしまう自分に後悔。
カウンセリングで脳の仕組みを知り、「一呼吸おく習慣」を実践。
その結果、感情の爆発が減り、職場の空気も和らいだ。
このように、「怒らないようにする」と力むのではなく、 「脳の回路に一拍入れる」だけで感情は整理されていきます。

5.怒りを抑える脳の使い方3つのコツ
① 怒りを“実況中継”する
「今、自分は怒っている」と頭の中で言語化するだけで、 前頭前野が起動し、感情にブレーキがかかります。
→「ムカついている」「イライラしている」と自分に語りかける

② 深呼吸で“脳の間”をつくる
怒りが湧きそうなときに5秒かけて吸って、5秒かけて吐く。
この「呼吸のコントロール」が、前頭前野の働きを助け、 扁桃体の暴走を静めてくれます。

③ 怒りを“客観視”する
「この怒りの点数は10点満点中いくつだろう?」と、「怒り」を数値化・評価することで、自動的に理性が立ち上がります。
→ 点数化によって怒りの感情を「分析対象」に変換できる

6.怒りに強い人は、感情を「感じてから、整える」習慣がある
怒りを「抑え込もう」とすると、かえって爆発します。
大切なのは、「湧いた感情を認識し、前頭前野にバトンタッチする」こと。
つまり、“感じる”ことと“行動に移す”ことの間に、 「前頭前野の思考スペース」をつくるのがコツです。

まとめ:怒りは“消すもの”ではなく、“整えるもの”
感情は人間にとって自然な反応です。
怒りを悪者にするのではなく、脳の仕組みを知って味方にすることが、
健全な人間関係と自分らしい行動を支えてくれます。
「感情は脳の反射。けれど、行動は選べる。」
あなたも今日から、“感情整脳”習慣を始めてみませんか?

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森億
専門家

森億(プロコーチ)

fine lab.(ファイン ラボ)

35年の中高大の教員経験と、バスケットボール競技での豊富な実績をもとに、パフォーマンス向上を導く「fine理論」を構築。セルフトレーニングとチームビルディングの両輪で企業セミナーや人材育成を行います。

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