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坂本祐一

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坂本祐一(さかもとゆういち) / 社会保険労務士

さかもと社労士事務所 【みやぎ障害年金相談窓口】

コラム

障害年金の「初診日」について(その2)「治癒」と「再発」

2018年8月15日 公開 / 2019年11月6日更新

テーマ:障害年金実務

コラムカテゴリ:お金・保険

コラムキーワード: 障害年金 条件障害年金 金額障害年金 申請

初診日の具体例

 障害年金の請求にあたり、重要な要件の一つ「初診日」の具体的な考え方に以下の様な解説があります。

「過去の傷病が治癒し、同一傷病で再度発症している場合は、再度発症し医師等の診察を受けた日」

 傷病が一旦治りある程度の期間をおいて、また同じ傷病で再発した場合は「後に病院に行った日」が初診日となる場合があります。

二つの「治癒」

 障害年金の請求において、「傷病が治る」という考え方に「医学的治癒」と「社会的治癒」という2つの考え方があります。

〇「医学的治癒」とは、医師から治癒の診断を受け、傷病が完全に治り、心身とも健康な状態になることをいいます。

〇「社会的治癒」とは、傷病が医学的な意味では治癒したとはいえないが、その症状がなくなり社会的な復帰が可能となり、普通に仕事をし、日常生活も一人で普通にでき、なおかつ、投薬治療もなく(予防的な投薬はいい場合もあります)、外見上は治癒したと見える状態が、ある程度の期間(傷病により異なりますが、通常5年以上)継続していることをいいます。障害年金請求者の利益を守るための考え方であると言われています。

障害年金の実務から見た「社会的治癒」

 障害年金請求者の利益を守るための考え方に立つ、この「社会的治癒」が認められると、前の初診日の病院では国民年金被保険者であったが、「再発」時に厚生年金被保険者になっていた場合は、有利な「障害厚生年金」の請求となりますし、また、前の初診日の病院では年金の保険料納付要件を満たしていないため請求自体できなかったが、「再発」時に納付要件を満たしているときは、障害年金の請求ができるようにもなります。

ただ、実際はこの「社会的治癒」が認められることは傷病名にもよりますが、実務上は大変厳しいです。

 「診断書」の内容と、その間に症状もなく通常に仕事をし、一人で日常生活をしていたことの申立書の内容と、それを証明する客観的な証拠資料の添付、できれば第三者にも証明してもらうところまでしないと、なかなか認めてもらえません。

 「社会的治癒」を訴えて請求したが、「不支給決定」となり「審査請求」「再審査請求」まで行ない、ようやく認められるケース、それでも認められないケースと様々です。

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