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新聞を読み解く【Part18】「ハンコ文化、在宅勤務の壁」

2021年9月13日

テーマ:不動産

コラムカテゴリ:住宅・建物

本日は新聞を読み解く、4月2日の日経新聞に掲載されておりました記事を、皆様と一緒に読み解いていきたいと思います。
「はんこ文化、在宅勤務の壁。会社印鑑持ち出せず」。本当にコロナウイルスで大変な時期で、会社でもテレワーク、リモートワークを推奨している企業がかなり増えて参ったと思うのですが、日本には印鑑・ハンコという文化がございます。契約書などの重要書類には、すべて最後に甲乙で、会社の横判を押して社判を押す。それでその契約書等重要な書類であると、それは社判ではなくて代表取締役印ということで、法務局に届けている実印を押すと、最終的にその契約が成立すると。
契約は民法上、口頭でも契約が成立するのですが、何かその契約の中身で問題があった時に、言った・言わないということで、最終的にはその契約の内容が大変厳しい状態になってしまう、その契約した証を残すということで、契約書を皆さん作っておられるわけです。
弊社でも、不動産の売買契約書や賃貸契約書、これは全部契約書になりますので、その契約書の文面を全部作成して、最後に売買であれば、売主さん・買主さん。賃貸であれば、貸主さん・借主さんに、署名・捺印をしていただく、最後に印鑑を押すということになっているわけです。
契約書に印鑑を押すということは、その署名に、朱色の朱肉で印鑑を押すということで、契約書もとても見栄えがするというか、重みが出るんです。だけどもこの印鑑をつかないと、その効力が発せないということだと、いくらテレワークで打ち合わせ、契約書の中身を詰めていっても、最終的な決裁をもらうというところだと、ハンコをもらう手続きをするために、相手方に行く、相手の会社から来てもらうというような行為をしなくてはなくなるので、テレワークというのもワンストップではできないです。ましてや、大きな会社…一部上場のような会社ですと、印鑑を持ち出すことができないので、誰かに預けるということができないですね。その印鑑をつけない、最終的な決裁が降りずに、契約行為が成立しないということで、とても困っている状況も見ると出てくるということですね。
海外では、欧州連合EUでは、もう電子署名というものができていますね。日本以外はほとんどサインの文化ですので、ハンコがなくてサインで。最終的にはその筆跡や、その方のクセがありますので、筆跡判定なんかでも解明することが可能なので、海外ですとそれが契約の証。当然私たちもクレジットの時には、クレジットカードを入れて、最終的には暗証番号を押すか、またはサイン。暗唱番号を押すのが嫌だっていう人もいますね。そこでは最終的にそのクレジットカードの控えに自分のサインをする。そして後から、これはお客様が使用したのですよねって言われた時、「これは間違いなく私のサインです」ということになる。
だから私もそういった意味で、スピーディーに仕事を済ませるためには、やはりハンコがなくてもいいのかなと思うのですが、ハンコにはハンコの良い点もかなりありますので、一概にはなかなか言えないのかなと思いますが、このハンコが必要なのか、不必要なのかというところも、まさに今コロナウイルスで、それを考える機会になっているのかなと思います。
ですから、すべてがピンチではありません。このピンチをまたチャンスに。コロナウイルスが起きないと、本当にずっとこれから先までハンコ文化でいいのかどうかっていうことに、多分皆さんの中にクエスチョンが出ることは多分なかったと思います。こうやって1度立ち止まって、今まで当たり前のことのようにやってきたことが、本当にこれからも続けていいのかどうかという、考える機会になったのではないかと思います。

この記事を書いたプロ

村上則夫

不動産管理と終活のプロ

村上則夫(有限会社 村建地所)

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