年金生活者支援給付金がはじまります
児童扶養手当は、一般的に、母子または父子家庭等で、18歳年度末の子等を養育しているときに、収入要件等を満たした場合に支給されています。しかし、ひとり親家庭の母または父が、公的年金を受給できる場合には、児童扶養手当は支給されないこととされています。公的年金とは、老齢年金、遺族年金、障害年金をいうわけですが、その年金の金額が、たとえ児童扶養手当の金額よりも低くても、児童扶養手当を選ぶことはできないこととなっています。
たとえば、母子家庭の母Aさんが、それまで児童扶養手当を受給していたところ、障害年金を受給することとなった場合は、児童扶養手当はストップされてしまいます。2級以上の障害年金には子の加給がつきますが、子の加算のない3級の障害年金であっても、児童扶養手当は支給されません。
障害厚生年金3級の最低保障額は、年額579,700円(平成26年度の額)なので、1か月48,308円
児童扶養手当は、こども1人で1か月41,020円(平成26年度)
差額は、たった7,288円
普通に働いても収入が少ないので児童扶養手当を受給するという趣旨から考えれば、自分が満足に働くことができないから障害年金を受給するのであって、両方あわせても1か月89,328円にしかならず生活できる金額でもないなら、どうして併給できないのかと、個人的には釈然としません。
ひとり親家庭の貧困対策として、平成26年12月1日から児童扶養手当法が改正されて、年金額が児童扶養手当額より低い方はその差額分の児童扶養手当を受給できるようになりますが、障害年金に限れば、最低保障額が子ども1人のときは児童扶養手当額を上回るため、まず差額が発生することは考えられません。児童扶養手当の2人目の加算が5000円3人目が3000円、こどもが3人で合計49,020円となり、やっと差額712円。これが貧困対策なのか?疑問です。
障害年金が決定したら、受給権が発生したときにさかのぼってすでに支払われた児童扶養手当を返さないといけないということが起こります。年金の振り込みが開始されても、すぐ使わずに返す分を残す必要がありますので、ぎりぎりで頑張っているのに、やっともらえると思ってもすぐには喜べませんし、知らずに使ってしまってから返済を求められたらどうしたらよいのでしょう。年金の支給決定通知に注意喚起文を添付するか、年金を請求する際に窓口での説明を徹底していただくか、行政での対策を取ってほしいものです。
シャローム岩本事務所では、障害年金のご相談や請求手続きをお受けしています。
下記のコラムもよろしければ、参考にしていただけたらうれしいです。
【障害年金の受給事例第1回】
http://mbp-japan.com/mie/sharohmu/column/1827/
【障害年金は初診日の前の保険料を納めていないともらえません】
http://mbp-japan.com/mie/sharohmu/column/2095/