私の3つの強み
不妊治療で病院に通っている方から、鍼灸も一緒に受けて大丈夫なのかと尋ねられることがよくあります。採卵や胚移植の日程が見えてくると、それまでに自分でできることはないかと考え、どのくらい前から通い始めればよいのかを気にされる方も少なくありません。
病院での治療に加えて別のことを始めるのは、本当に体のためになるのか、かえって治療の妨げにならないかと不安に感じるのも、自然なことだと思います。妊娠を望んで、食事や栄養面に気を配るなどさまざまな取り組みを重ねている方ほど、自分の体の状態が気になったり、この先どうなるのか見通せない不安を抱えたりしながら、日々を過ごしておられるのではないでしょうか。
病院での治療を優先しながら、鍼灸を並行するという考え方
結論からお伝えすると、不妊治療と鍼灸は、基本的に並行して受けることができます。一穂はりきゅう院では、病院での不妊治療を優先していただくことを前提に、鍼灸に加えて食事や生活習慣など、妊活中の身体づくりをサポートしています。
通い始める時期については、採卵や胚移植の約3か月前からご相談いただくことを一つの目安にしています。ただし、これはあくまで目安であり、鍼灸を始めるために病院での治療を遅らせる必要はありません。すでに治療が進んでいて、次の採卵まで3か月もないという方でも、その状況のままご相談いただけます。
なお当院には、タイミング法や人工授精、体外受精など、さまざまな段階の不妊治療を受けている方が来院されています。治療の段階によって通院のペースも気がかりになっていることも違うため、お一人おひとりのお話を伺ってから鍼灸の進め方を考えています。
また当院では施術の前に、生活習慣や体の状態、鍼灸を受けるうえでのご希望を伺い、医療機関で治療を受けている方には、差し支えない範囲で通院の状況もお聞きしています。そのうえで、ご本人の体調や予定に配慮しながら施術の内容や進め方をできるだけ分かりやすくお伝えするようにしていますので、初めての方も、疑問や不安に思うことはそのまま口にしていただければと思います。
約3か月前を一つの目安にしている理由
卵胞は、数か月にわたる発育の過程を経て、採卵の対象となる卵胞へと育っていきます。採卵の直前になってから何かを始めるのではなく、数か月前から食事や睡眠、生活習慣などを見直しておくことも大切だと考えているので、約3か月前という目安をお伝えしています。
とはいえ、妊活中の方の状況は一人ひとり大きく異なります。年齢や卵巣予備能、不妊治療の経過、その時々の体調、仕事や家庭を含めた生活環境まで、同じ条件の方は一人としていらっしゃいませんので、鍼灸師として、また不妊カウンセラーとして臨床に携わってきた経験を生かし、まずは患者さんのお話を丁寧に伺うところから始めて、それぞれの状況に合ったサポートの形を一緒に考えています。
私は名古屋の明生鍼灸院で経験を積んだ後、2017年に地元の三重県で一穂はりきゅう院を開業しました。不妊カウンセラーは、日本不妊カウンセリング学会が認定する資格で、不妊に悩む方に妊娠・出産や不妊に関する情報を提供し、ご夫婦が納得して治療を選べるよう支えることを役割としています。
当院でも、不妊カウンセラーとして約1時間かけてゆっくりお話を伺う相談の時間を設けていますので、鍼灸を受けるかどうか決めかねている段階の方も、まずは今の状況をお聞かせください。
食事や生活習慣については、私自身も栄養学などの学びを続けており、管理栄養士さんと協力して料理教室も開催しています。仕事をしている方でも取り入れやすく、続けやすいメニューを管理栄養士さんに考えてもらい、調理の前には日々の食生活についてお話ししています。鍼灸の時間だけでなく、毎日の暮らしの中で無理なく続けられることを、患者さんと一緒に探していきたいと考えています。
自己判断での中断や極端な食事制限は避けてください
一方で、妊活中にぜひ避けていただきたいこともあります。一つは、自己判断で不妊治療を中断したり、必要な検査や治療を先延ばしにしたりすることです。鍼灸は病院での検査や治療に代わるものではなく、当院では不妊治療と並行して行う補完的なサポートとして位置づけています。鍼灸を始めたのだから病院の治療は少しお休みしよう、という考え方はおすすめできません。
もう一つは、インターネットやSNSで見かけた情報を参考に、極端な糖質制限をしたり、特定のサプリメントを大量に摂ったりすることです。少しでも良さそうなことを取り入れたいというお気持ちはよく分かりますが、偏ったやり方を自己判断で続けることはおすすめしていません。
日々の食生活に気を配ることは、ご本人だけでなく家族全員が健やかに暮らすうえでも大切なことなので、特別な方法に飛びつくよりも、毎日の食事を無理のない範囲で整えていくことを一緒に考えていければと思います。
なお、鍼灸を受けていただく際には、不妊治療の状況や使用中の薬、妊娠の可能性などを事前にお伝えください。こうした情報を伺ったうえで、安全性に配慮しながら施術の内容を考えます。主治医による治療と無理なく並行できる方法を一緒に探ることが、妊活中の鍼灸では大切だと考えています。
鍼灸だけに頼らず、生活全体で身体づくりを考える
ご相談の中では、鍼灸を受ければ卵子の質が良くなる、子宮内膜が厚くなって妊娠できる、といったイメージを持っておられる方にお会いすることもあります。期待を寄せていただけるのはありがたいことですが、鍼灸によって卵子の質や妊娠率が確実に向上するとは言い切れず、採卵数や妊娠率についても、鍼灸による向上を示す医学的根拠は確立していません。このことは、最初のご相談の段階できちんとお伝えするようにしています。
妊活の身体づくりには、鍼灸だけでなく、食事や睡眠、運動といった日々の生活習慣も関わっています。当院では一つの方法に偏るのではなく、不妊治療を受けている方それぞれの状況に合わせて、総合的に考えることを大切にしています。
施術にあたっても、気になる部分だけを見るのではなく、体のめぐりや全身の状態に目を向けるようにしています。月経周期や冷えのことはもちろん、家事やデスクワークで同じ姿勢が続くことによる筋肉のこわばりなど、妊活とは直接関係がなさそうに思えることでも、気になることがあればお聞かせください。
院名の「一穂」には、実りや恵みを願う気持ちとともに、一つ一つのことを丁寧に積み重ねていきたいという思いを込めました。
妊娠を望む期間は、体の変化だけでなく、先の見えない不安や気持ちの揺れを伴うことも少なくありません。当院は完全予約制で、周囲を気にせずお話しいただけるよう落ち着いた空間を整えています。
場所は近鉄霞ヶ浦駅から徒歩約4分です。ご自身の体のことや日々の暮らしのこと、治療について気になっていることなど、小さな疑問でも遠慮なくお聞かせいただければと思います。
まとめ
不妊治療と鍼灸は基本的に並行できますが、中心となるのはあくまで病院での治療であり、鍼灸はそれを支える補完的なサポートだと私は考えています。採卵や胚移植の約3か月前を一つの目安としながらも、治療中の方は今の状況のままご相談ください。
こんな方はご相談ください
・病院で不妊治療を受けていて、鍼灸を並行してよいか迷っている方
・採卵や胚移植を控え、食事や睡眠など生活習慣の見直しについて相談したい方
・インターネットやSNSの情報が多く、何を取り入れればよいか分からなくなっている方
お問い合わせはこちら:
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