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社長の給料の税金が増える・・・?!

清水宏

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「特殊支配同族会社の業務主催役員給与の損金不算入制度」が民主党政権になって廃止されましたが、今まことしやかにささやかれている税制改正案が私の耳に入ってきました!

上記の制度は、租税特別措置法のように時限立法(一定の期間だけ適用する法律。実際には、延長されつづけて一定期間という感じでは無くなっている法律もありますが・・・。)ではなく、法人税法そのものの改正という大きな改正でした。(自民党が強行した理解に苦しむ法律でした。)

会社法でどんどん個人事業者が法人化していくことへの税主減少に対する防止策というのが建前でしたが、税理士会などはこの改正に対して、猛反対していたにもかかわらず自民党独裁で改正されてしまいました。その後、この法律が実情にそぐわないという観点を民主党に訴え続け、政権獲得後には約束通り廃止となりました。

ところが・・・、最近私の耳に入ってきた情報によると、代表取締役等の役員給与の概算経費控除を減らして、社長等の税金を増やすらしいというのです。

えっ、なんで!!ほんまかいな!

その理由なのですが、(本当かどうか知りませんが)「中小零細企業等の社長は従業員のように定時に出勤しないで、昼前に出勤したりとか早く帰ったりとか、ゴルフしたりとか自由に勤務しているわりに給料が多く、実質労働時間も少ないとかそんなレベルの議論もあるらしいよ!」
と情報通の先輩から聞きました。

これが本当ならあまりにも馬鹿げた趣旨だと思います。今、中小零細企業は大変な経営状況であり、社長等の給料も下がっているところが多いのです。そのうえ、税金まで増えるなんて泣きっ面に蜂!

この話は私が直接関係者から聞いたわけでもないので全面的に信じる気はありませんが、実際その方向で税制改正の調整が進んでいるのなら怖い話です。一体どんな社長の事を指しているんでしょうね、ふざけた話です!

代表者は日夜、色々な責任を負って(例えば会社の借入金を全額連帯保証しているとか、従業員の給料を払うために自分の役員報酬を下げているとか)経営していて、その精神的プレッシャーはすごいものです。ましてや、こんな不景気な世の中ですから。

役員は会社の経営者であり、9時から5時まで労働する使用人とは、根本的に職務内容が全然違います。確かに、法人の税制において、役員と使用人の取り扱いを区別しているものは多々ありますが、この法案はそれらとはちょっと違うと思います。

この話が現実のものとなるかどうかは将来わかる話ですが、気になるのは、民主党が上記の役員給与税制を廃止した時に「廃止した税制に代替する税制は、今後検討していきます」と宣言していたことです。その言葉からすると、このような法律が作られたとしても、何の不思議もないのです。

もし、この法案が成立すれば、せっかく廃止した役員給与税制に対する「単なるすり替え」になってしまう恐れがあり、大変がっかりする結果となりかねません。(暫定税率や高速道路無料化や普天間移設問題と同じく、自民党政権からの改革を期待していたのに、蓋を開けたらあんまり変わっていない・・・・!)

今の日本は確かに税収不足の危機にあり、税源確保は国家運営の観点からは最重要課題の一つではありますが、だからと言って税金を取れるところから取るというだけの発想が強くなり過ぎると、本来守られるべき「課税の公平」の精神を乱すのではないでしょうか?!

今回は、この話が本当ならヤバいと、危機と不安を感じましたので、久々のコラムを書いてしまいました(笑)!この改正話が現実のものとならない事を祈ります!!

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