相続税は特例を適用できるかで大きく変わる?
以前はたとえ家族でも、自分の父や母に「相続」の話をするのはなかなかハードルが高かったのが、最近は新聞やテレビなどで「終活」や「エンディングノート」等が取り上げられるようになり生前に「相続についての話し合い」が比較的しやすくなってきたと感じています。
すると今度は話の中で「ウチには相続税がかかるかもしれないから何か対策をしなければいけないのでは?」と思われる方がいらっしゃいます。もちろんこれは各家庭の財産状況によって異なりますので一概には言えませんが、次のような勘違いをされている方を見かけます。
・相続対策は自分なりにしているので大丈夫!
→試算をしてみると「そもそも相続税がかからない」、「相続税はかかるがごくわずか」
・ウチは財産が少ないので相続税はかからない!
→不動産(自宅を含め)の価値を見誤っていて、実際には相続税がかかる
ここで注意しなければならないのは、きちんと現状を把握することなのですが、残念なことに相続を考えると「相続税」にばかり気を取られてしまいがちです。
相続については決して相続税が全てではありませんので、私たちは次のステップでお客様に考えていただくようアドバイスします。
1.分割対策(争族を防ぐための対策)・・・揉めないよう誰に何を相続させるか
2.納税資金対策(10カ月以内に金銭一括納付が原則)・・・相続税を払えるだけのお金はあるか
3.節税対策(相続税の対策)・・・相続税を減らすことはできないか
たとえ相続税を減らすことができても、相続人間で不公平感が残ったり、相続税が支払えない・・・などといったことが起これば本末転倒です。
こういったことを回避するためにも相続へのアプローチは慎重に行いましょう。
次に上記のステップを経て、相続税対策が必要になった場合ですが、不動産を使って次のようなことが考えられます。
・賃貸マンション・アパートを生前贈与する
・居住用不動産を配偶者へ生前贈与する
・相続時精算課税制度を利用する
・賃貸マンション・アパートを建築・購入する
・不動産を売却する
・個人から法人成りする
・資産の組換え
それぞれの詳細については長くなってしまうので割愛しますが、もし気になることがあればお問い合わせください。
最後に、最近は医療技術の進歩に伴い長寿社会となっていますが、これにより「認知症リスクへの対策」も必要になってきました。仮に所有者が認知症になってしまった場合には、ご本人の意思で不動産を売ったり買ったり、貸したりするような法律行為ができなくなります。そのようなリスクを回避するための準備も忘れずにしておきましょう。