自己肯定感の低い弁護士
晶文社。宮野真生子、磯野真穂。
映画化もされた一冊だが、映画化される前に購入していて(買ったのは1年以上前)、ようやく手に取った(読みたい本が多すぎる)。
ガン患者である哲学者の宮野氏と、文化人類学者の磯野氏との往復書簡。
出会ってわずかな期間、誰よりも濃密な書簡のやりとりをした希有な作品である。
急に具合が悪くなるかもしれないという医師の発言と、そうなった後の緩和ケアの話を受けて、筆者の1人宮野氏は、100%がん患者でいることに抗い、「がんが治ったら旅行に行こう」というようなことを言っているがん患者に怒りを覚える。
死が近づいてくる宮野氏に対して、磯野氏は宮野氏が死をどう捉えているのか、通常では聞くことのできないようなことを書簡で聞く。
哲学的であり、学術的であり、そして実体験に基づく宮野氏の書簡は魂を揺さぶる。
自分ががん患者になった時、自分をこんなに客観視することはきっと私にはできない。
重いが、お勧めの一冊。


