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中隆志

被害者救済に取り組む法律のプロ

中隆志(なかたかし)

中隆志法律事務所

コラム

いきなり独立の危険性

2010年12月16日


弁護士も就職難であり、弁護士になろうとするものの中には独立心も旺盛な人もいるのであろうから、今後はいきなり独立する人が増えるのではなかろうかと思う。

 いきなり独立すると、事件処理の仕方がわからないから、失敗をするという危険性があると思われる。弁護士もそれぞれ独立自営業者であるから、他人の事務所の面倒まで一から一まで見ていられないので、教えてもらうといっても限界がある。

 勤務弁護士として入ると、だいたいはボス弁の方で事件について処理方針を立てていることが多く、多くの場合はこの処理方針は誤っていないので、勤務弁護士はその方針の中でやっていけばよいことになる。実はこの処理方針を立てるということがもっとも難しく、ここで間違わなければ事件は混迷を極めることはない。ところが経験がないと、事件をどうしていけばどうなるという予測が立てられないから、処理方針を間違えることになりかねないのである。

 また、依頼者もバカではないから、相談をしてみて、「この弁護士頼りない」と思えば依頼はしてこないであろうし、紹介者も現れないであろう。ある程度実力をつけた上で自分の事務所を構えないことには、依頼者を獲得していくということも難しいと思われる。弁護士の依頼者層が出来るには、基本的には口コミなので時間がかかるし、そもそも「あの先生いいよ」とならないと紹介者も現れないであろう。

 また、世の中には、恐ろしい連中がうようよいる。弁護士を利用して金儲けしようとしている連中も多々いて、いきなり独立した弁護士では、その危険性をかぎ取ることは難しいであろう。ヤメ検やヤメ判の弁護士が、時として誤った道を行くのは、法律家としてはベテランでも、彼らは国家機構という牙城の中での仕事であり、弁護士のようにややこしい人たちと生身で接している訳ではないので、取り込まれてしまうのであろう。いきなり独立の弁護士もそうした意味ではウブといえ、この危険性がもっとも大きいのではないかと思っている。

 そうなった時、もっとも被害を受けるのはそうした弁護士に依頼した市民である。
 手術を一回もしたことがなく、指導教授もそばにいない状態で、いきなり開腹手術を医師がするのと同じである。
 弁護士は、弁護士となった後も、勤務弁護士としてベテラン弁護士の元で最低2~3年は修行を積むべきであろう(私の自説は5年であるが)。
 これからそういう時代に突入するのである。それもこれも規制改革の流れと、司法改革の当初に人数設定を大きくしすぎたせいである。
ああ、怖。

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