福祉施設への入所について考える
4月の半ば、昨年に続いて大津市のMさんと一緒に、海津大崎の桜を見に行くことが出来ました。
今年はMさんのお友達もお誘いしたので、総勢3名の道中です。
そして、ちょうど見頃の桜の下、すぐ手前の道の駅・藤樹の里あどがわで買ったお弁当を、風が吹くと花びらが舞い始めたベンチで、3人でご一緒して食べました。
琵琶湖とそこに浮かぶ船(遊覧船?)をぼんやり眺めながら食べるお弁当は、桜と琵琶湖、ちょうどいい気候という相乗効果もありまして、とても美味しく頂くことが出来て、Mさんもお友達と楽しそうにお話しをされたり、桜を見上げたりしておられました。
「今年も来られてよかったね。」お友達が仰ると、「本当にね。」とMさんは嬉しそうです。
「去年は私と2人でしたけど、今年はお友達と3人で来られてよかったですね。」私が続けると、
「前はあなたと来たんだったかなあ?」と少し不思議顔です。
「去年、三上さんと行けて綺麗やった、って言ってたやん。」
「去年は違う人と行ったんじゃなかったっけ。」
「じゃあ、誰と行ったの?」
「えーと、誰やったかなあ。確か、もう一人の人。」
「もう一人の人って誰なん?(笑)」
昨年も私がご一緒したのですが、認知症の影響もあってか、“もう一人の人”と行ったという記憶で思い起こされた様です。
「じゃあ、来年はもう一度私と行きましょうね。」
「うん、そうやね。」
昨年からご一緒する様になった海津大崎の桜ですが、立派な桜を目の前に致しますと、健康とお天気の有難さを実感させられます。
帰りの車中では、「あんたは行けるけど、私は来年無理やわ。」などと、冗談と本音が混じった様なことを、お互いに言われて話にも花が咲き、私もとてもいい時間を過ごすことが出来ました。
「もうあかんと思うわ。」が口癖のMさんですが、病院やお買い物へは私がご一緒して、デイサービス等も利用ながら、お一人で暮らしておられます。
それでも、任意後見契約の締結から2年半が経過して、曜日や時間の把握が難しくなるなど、緩やかでも認知症の進行を感じられる様になりまして、病院での診察等を経て、今年に入り家庭裁判所へ任意後見監督人選任の申立をするに至りました。
今後の生活にはご自身でも不安なお気持ちを仰るのですが、私やお友達、デイサービスの方など、お一人だけではないことをお伝え致しますと、「うん、頑張るわ。」と明るく仰って下さいます。
あれだけ立派だった桜も、天気の悪化もありまして、翌日の京都新聞・桜だよりでは「散り始め」となっていました。
最後の見頃だったことに胸をなで下ろし、”もう一人の人”としてであっても、来年、再来年とご一緒出来ることを願いながら、いつものスーパーへご一緒して帰宅し、今年のお花見も無事に終わることが出来ました。