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~優しい遺言書のつくり方~まず、文字にしてみる

三上隆

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テーマ:優しい遺言書

 前回に引き続き、遺言に関することについてお伝え致します。

 遺言の作成にあたり、「どの様に書けばいいのか、よくわからない」というお問い合わせをいただくことがあります。
 遺言をつくる際に立ち止まってしまわれる原因には、まだ内容が明確に定まっていない、年齢や病気などの影響で自筆することが困難、という様な場合もありますが、“遺言内容がこれで問題ないか不安がある”という声をお伺いすることもあります。

 そんな時、多くの方は「完成された、最終的なものを」つくろうと思われている様に感じます。
 その為、ご自宅の先々の引き継ぎ方法や遺留分の問題など、迷われる様な事柄に想いを巡らせた時、立ち止まってしまわれるのではないでしょうか。

まず、文字にしてみましょう

 遺言をつくられる目的は、“将来の相続で家族が揉めない様にする為”だと思います。
 その為に、「最終的なものを」と考えられるのだと思われますが、日頃から「遺言をつくっておく」と言っておられた方が亡くなり、ご家族が確認しても遺言は出てこなかった、ということは珍しくありません。
 “遺言がないこと”が原因で、相続で揉めてしまうこともありますので、「どの様に書けば(最終的なものになるか)わからない」という思いなどがあって、少し躊躇をしている様な方がおられましたら、まずは文字にしてみることをお勧め致します。

 人は頭の中だけで考えるよりも、文字や画像などを用いて視覚から取り入れた方が物事をイメージしやすいことがあります。
 例えば、スーパーに行く前に、買うものなどをメモしてから行くことがあるかと思います。
 これは、考えていることを文字にすることによって、頭の中のイメージを具体化し、必要な物を整理したり、他に必要な物がないか思い出したりしているのだと思います。

 例えが少し違うかもしれませんが、遺言も同じ様に、最初はメモ書きの様なものであっても、ご自身の想いを書き出して文字にすることによって、少しずつそれが具体化していき、段々と下書きの様なものになっていきます。
 また、今まで頭の中にあったことを文字にすることで、他に必要と思われる項目が見えてくる場合もあります。
 
 また、“遺言は一度つくったら変更出来ない”ということはありませんので、その後の事情やお気持ちの変化によって、何度でも変更することが出来ます。
 今までのものに新しく加筆することも可能ですので、それらを積み重ねることでご自身の考える「最終的なもの」に近づいていくのではないでしょうか。

 特に遺言を自筆される方の場合、何度作り変えても費用が掛かる訳ではありませんので、初めから何度かつくるつもりで、まずはメモ書き程度から気楽に始められてはいかがでしょうか。

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専門家

三上隆(行政書士)

相続まちの相談室/行政書士 三上隆事務所

「人との関わり」や「お話を伺うこと」を大切にしておりますので、終活のお悩みや身寄りのない方の今後のご不安、相続の話し合いの部分に至るまで、‟人”と関わる部分を最後までお手伝い致します。 

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