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公正証書遺言は自宅でもつくれます

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テーマ:公正証書遺言

 前回のコラムでもお伝えした通り、自筆証書遺言の保管制度が始まりましたので、今後は遺言を自筆される方が増えるかと思われますが、遺言についてのご相談をお伺いしておりますと、公正証書遺言を希望される方も多くおられます。

 遺言内容や書き方について不安を感じられている方、後々のトラブルを心配される方、ご病気で入院中の方、「自筆すること自体が難しい」と仰る方など、その理由は様々です。

 自筆証書遺言と公正証書遺言ではどちらがよいか、ということは一概に言えるものではありませんが、後々のトラブルを防止するという観点から考えますと、公正証書遺言に分があることは確かです。
※遺言が紛争に発展する主な原因
①本当に本人がつくった遺言かどうか
②認知症などで、判断能力が低下していた時につくられたのではないか
③遺言が法律上の成立要件を満たしていない

 ご存知の通り、公正証書遺言をつくるには費用が必要となりますが、遺言者本人であることや遺言内容について、公証人より本人への確認を経てつくられますので、万一の心配を軽減することが出来ます。

 ただ、公証役場はそれ程多くある訳ではない(京都府下・4か所、滋賀県下・3か所)うえ、遺言をつくられる方は、比較的高齢の方が多くなりますので、公証役場から離れた地域にお住まいの場合、ご自身の体調や足元のご都合などで、「難しいのでは」と感じておられる方もいる様です。

ご自宅などへ公証人に出張してもらえます

 ご自身の体調など、止むを得ない理由などで公証役場まで行くことが出来ない方でも、ご自宅や病院など、指定場所へ公証人に出張してもらうことで、公正証書遺言をつくることは出来ます。
 
 また、事前に遺言内容について打ち合わせを行い、遺言の原稿を作成しておけば、大きな変更などがない限り、出張日当日に公正証書遺言を完成させることが可能です。

 出張に要する費用としては、通常の公証人手数料に病床執務手数料が加算されて1.5倍になる他、交通費の実費、日当(4時間以内10,000円、1日20,000円)が必要となります。

公証人手数料 出張
 先日、私がご自宅で公正証書遺言をつくるお手伝いさせていただいた方は、公証役場までの交通の便が悪い上に、ご自身の足元の具合もあまりよくない、という事情から、ご自宅への出張を希望されました。

 あらかじめお伺いした遺言内容を原稿にして、それをご確認いただいた上で、公証人との下打ち合せまで、弊所で先に済ませておりましたので、遺言者さまはご自宅で一度公証人とお会いするだけ、という状況でつくることが出来ました。

 滞りなく遺言が作成出来た後、遺言者さまに感想をお伺いすると、「慣れないことで緊張すると思ったけど、自宅だったからか、緊張などは感じませんでした。」と仰られていました。

 公証人が出張をしてくれることにつきましては、ご存じない方もおられる様ですが、公証役場から遠く、体力的な問題で公正証書遺言の作成を諦めておられる方がもしおられましたら、改めてご検討されてもよいのではないかと思います。

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専門家

三上隆(行政書士)

相続まちの相談室/行政書士 三上隆事務所

「人との関わり」や「お話を伺うこと」を大切にしておりますので、終活のお悩みや身寄りのない方の今後のご不安、相続の話し合いの部分に至るまで、‟人”と関わる部分を最後までお手伝い致します。 

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