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コラム

空き家を相続した場合の注意点

相続 空き家

2018年8月30日 / 2018年9月28日更新

今回は相続における悩みのひとつ、空き家についてお伝え致します。

 相続で取得する不動産につきましては、亡くなった方がお住まいになっておられたご自宅、というのが一般的です。
 相続された方が、その家にお住まいになる場合は問題ありませんが、ご自身は別にお住まいがあるという場合、その家は空き家となってしまいますので、以後はそれをどうするか、という問題が生じることになります。

 もし、空き家のまま時間が経過して、老朽化などで近隣に迷惑を掛けてしまったら、その家に住んでおられなくても、建物の所有者としての責任を問われますので、放っておける問題ではありません。

空き家と固定資産税について

 不動産を所有されている方には、毎年4月に固定資産税と都市計画税の納税通知書が、市町村役場から届きます。
 固定資産税と都市計画税におきましては、宅地に関しましては、更地の状態と建物がある状態では課税額が異なります。

 納税通知書には、その土地の「評価額」と「課税標準額」という記載しかないのでわかりにくいのですが、建物がある宅地については、その宅地が200㎡までの場合、固定資産税は6分の1、都市計画税は3分の1になる、という軽減特例があります。

 ご自宅の固定資産税を毎年お支払いになっておられる方も、ご自分の宅地に建物がない状態で納税をされたことがある方は少ないと思いますし、それについての記載がない通知書が多いため、違いを感じることは少ないと思われます。

 その為、以前はどれだけ老朽化した空き家であっても、あえて建物の改修・補修などをする方は少なかったのですが、平成27年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」によりまして、市町村に「特定空家等」に指定された建物に関しましては、その是正の勧告を受けますと、それらの軽減特例が受けられなくなります。
 
 この「特定空家等」は、放置すれば倒壊等や著しく保安上危険となるおそれがある、適切な管理を行っていないことで著しく景観を損なっている、などの空き家とされ、これに指定されますと、市町村から是正の指導や勧告を受けることになります。
 それでも改善されない場合には、「行政代執行」という、強制的措置が執られる場合もあります。

 その為、とりあえず放置してしまっている、という状態ですと、場合によっては市町村より是正の指導などの通知がくる場合があります。

空き家を相続したら

 それでは、空き家を相続した場合、どのようなことが考えられるのでしょうか。

①売却する
 相続した不動産に居住する予定がない場合、売却を検討されるのが一般的かもしれません。
 
 通常、不動産を売却致しますと、それまでの所有期間が5年を超えていた建物ですと、譲渡所得に対して約20%の税金(所得税15%、住民税5%)が課税されます。
 この場合におきまして、「その建物には、亡くなった方がお一人で直前まで住んでおられた」という、前提がありますが、相続をされてから3年以内に、「耐震リフォーム」するか、「更地」にしてから売却を致しますと、その譲渡額から建物取得費、諸費用を差し引いた額より、3,000万円の特別控除が受けられます。

 
 例えば、宅地を1,000万円で売却した時に、その元々の取得費用が不明で、耐震リフォームに150万円を要した場合ですと、下記の様になります。
 (取得費用が不明の場合は、譲渡額×5%として計算となります)

1、譲渡所得の計算
 1,000万円(譲渡額)-50万円(取得費)-150万円=800万円(譲渡所得)
2、所得税、住民税の課税額の計算
 (800万円(譲渡所得)×20%)-3,000万円=0(課税額)
 
こちらにつきましては、国土交通省のホームページに制度の詳細があります。
 空き家の発生を抑制するための特別措置

②補助金を活用して、改修をする
 空き家問題は相続をされた方個人の問題だけではありません。
 所有者が把握できる空き家だけではなく、所有者不明の空き家も増加しておりますので、行政としても近隣住民の治安・景観などの問題から、対策を講じているところです。

 京都市では、空き家を改修される場合の補助金を、最大30万円(京町屋への改修は60万円)を上限として、改修工事費用の2分の1まで設けています。
 
 また、京都市の指定する特定目的に該当する改修工事に関しましては、最大90万円(京町屋への改修は90万円)を上限として、改修工事費用の3分の2まで設けています。
 京都市 空き家活用・流通支援等補助金

 この他、空き家の悩みや活用方法について、相談窓口も設けられています。
 京都市 まち再生・創造推進室

③空き家バンクに登録する
 空き家バンクとは、あらかじめ空き家を登録する事によって、それを利用(購入、賃貸)したい方とその物件をスムーズにつなぎ合わせるようにする制度で、主に自治体から委託受けた団体が、空き家の登録を受け付けています。

 また、滋賀県では空き家バンクのサポートにおきまして、地域で上限と金額に違いはあるものの、空き家を購入して改修をする方を対象をした補助金も設けております。
 滋賀県 空き家バンク
 
 滋賀県 子育て世帯空き家リノベーション事業費補助金

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