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コラム

法定相続について ~その割合や順位とは~

法定相続

2017年12月30日 / 2018年9月18日更新

 皆様、こんにちは。

 今回は、相続においてよく耳にする言葉、「法定相続(人)」につきまして、基本的な事からお伝えしようと思っております。

 法定相続という言葉は、相続においては必ずついてまわる言葉ですので、おそらくほとんどの方がお聞きになったことがあるのではないでしょうか。
 
 まず、法定相続という言葉を簡単にご説明しますと、あらかじめ遺言書などで、財産の引き継ぎ方法が指定されていない場合、それを誰がどの割合で引き継ぐ権利があるのか、ということが法律で規定されており、法定相続とは、その規定に従った相続をさす言葉ということになります。

 法定相続人が誰かということは、その後の相続手続きの協議をする方が誰かということになりますので、ここが間違っておりますと、全く無効な協議をしてしまうことになります。
 また、法定相続人が何人おられるかということは、相続税が課税されるのかどうか、を確認する時に用いられる「基礎控除額」というものにもかかわってきます。

 相続税は、法定相続人の数に比例して基礎控除額も増える仕組みとなっておりますので、同じ相続財産が遺されていた場合でも、法定相続人が多い程、相続税が課税されにくくなります。

 相続手続きにおきましては、亡くなった方(財産を引き継いでもらう側の方)を「被相続人」と呼び、「相続開始日」は、被相続人が亡くなった日と規定されていますので、遺されたご家族で相続手続きの協議、もしくはその手続きを実際にした日ではありません。
 
 法定相続人が誰になるのか、ということは今日では多くの方がご認識されているとは思いますが、簡単にご説明をさせていただきます。
 法定相続人とは、被相続人が亡くなった日におられた親族で決定され、相続権がある方が誰になるのか、その順位が規定されております。
  第1順位=子供
  第2順位=両親・祖父母
  第3順位=兄弟姉妹
  ※「配偶者」には順位付けがなく、常に相続人となります。
    
 もし、被相続人より先に亡くなっている方がいる場合、その方に子供がおられれば、その子供が同じ順位で相続人となります。(これを「代襲相続」といいます。)
 
 また、それぞれの方が相続できる割合は、下記の通りとなります。
 ○配偶者と子供:配偶者2分の1、子供2分の1
 ○配偶者と両親・祖父母:配偶者3分の2、両親・祖父母3分の1
 ○配偶者と兄弟姉妹:配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1
  ※同じ順位の方が複数いる場合は、均等分割となります。

 また、兄弟姉妹におきまして、父母の一方のみが同じという方は、その相続割合が、父母両方とも同じ方の半分となります。(これを「半血兄弟姉妹」といいます)
 

法定相続の具体例

 もし、被相続人に配偶者と子供、両親、兄弟姉妹がおられた場合、法定相続人は配偶者と第1順位の子供となり、両親と兄弟姉妹は相続人とはなりません。
 
 この時、子供の方が先に亡くなっていて、その方にまた子供(被相続人からすれば孫)がいる場合は、配偶者と孫が第1順位として法定相続人となります。
 また、被相続人が独身で子供がなく、両親と兄弟姉妹がおられた場合は、法定相続人は第2順位の両親のみとなり、兄弟姉妹は相続人とはならない、といった具合です。
  
 このように、順位が先の番号の方がおられた場合、その方が「相続放棄」の手続きをされない限り、後の番号の方は相続人となることはありません。

 また、被相続人が亡くなられてから、相続手続きの協議が合意するまでの間に、法定相続人であった方が亡くなってしまった場合も同様です。
 仮に、被相続人の法定相続人が配偶者と子供だった場合、事故などで配偶者と子供が亡くなってしまい、両親はすでに他界していたとしても、兄弟姉妹が相続人になるわけではありません。
 この場合、元の被相続人の法定相続人であった、配偶者がまた被相続人となって相続が発生する「数次相続」と呼ばれるものになります。

 数次相続とは、先に亡くなった方の相続手続きの協議が完了する前に、相続人の一人が亡くなってしまい、新たな相続が発生した場合をさし、一般的に数次相続になりますと、相続手続きの協議に参加する方が増えることが多く、それぞれに面識なかったり、関係性が希薄である場合もあり、協議そのものがうまくいかない場合があります。
 
 先程の、配偶者と子供が事故で亡くなった場合ですと、元の被相続人の相続手続きの協議に、亡くなった配偶者の相続人(子供も一緒に亡くなったので、配偶者の両親や兄弟姉妹)が登場してくることになりす。

 相続順位が先の方が、協議をする前にすでに亡くなっているのに、と少し違和感を覚える方がおられるかもしれませんが、先にもお伝えした通り、法定相続人は被相続人の亡くなった日にどのような方がおられるかで決まりますので、(相続放棄がなければ)その後の経過では、法定相続人は変化しないのです。

 それは、相続手続きの協議が終わっていない場合でも、その方の相続人が決定せず宙に浮いているのではなく、一旦は法定相続人に全体として相続財産が引き継がれ、その相続割合が協議されていないだけ、というイメージとなります。

「相続放棄」と「相続分の放棄」について

 先ほど、相続放棄をしない限り、順位が下の方が相続人にはなれないことをお伝え致しました。
 この場合の相続放棄とは、ご自身の相続する財産がなくても構わない、という意思表示をすることではありません。

 「相続放棄」とは、被相続人が亡くなった事を知った日の翌日から3ヶ月以内に、家庭裁判所に申し立てを行う方法の事をさします。
  
 この相続放棄の申し立ては、脅迫などの不法行為の防止のため、あらかじめ行うことは出来ません。
 
 この申し立てをされますと、その方は最初から相続人ではなかった(いなかったというイメージです)ことになりますので、子供が一人しかおられない状況で、そのお子様が相続放棄の申し立てをされた場合、第1順位の方がおられなくなりますので、次に第2順位である両親・祖父母が相続人になる、ということになります。

 また、「自分は相続をしなくてもよい」と考える方が、正式な相続の放棄ではなく、ご自身の相続分が記載されない遺産分割協議書に署名・押印をされる状態でも、相続放棄と同じような効果が得られます。
 これを「相続分の放棄」といいますが、こちらは相続放棄とは違い、相続人という立場ではあるものの、皆様との協議において、ご自身の相続分がないことに同意をされた、という事になります。

 また、「相続分の放棄」をされた場合でも、他の方の法定相続の割合につきましては、その方の分が増える訳ではありません。
 ですが、ご自身の相続分を他の相続人さまに譲る、ということは出来ますので、その場合は譲った方の相続割合が、譲り受けた方に加算されることになります。
 
 法定相続人を確定させるということは、相続手続きの最初の第一歩であり、相続税を検討する際には、基礎控除額を決めるものにもなりますので、とても重要な確認事項です。

 また、実際の相続におきましては、ご自身では誰が相続人となるかをわかっておられても、それを第三者に証明出来なければ手続きはすすみませんので、その為に戸籍等を入手して、法定相続人が誰かということを証明する必要があります。


 次回は、「遺留分」についてお伝えしようと思います。
 よろしくお願い致します。

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