Mybestpro Members

久保克己プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

夏休みの学習、やる気に頼らないルーティンの作り方

久保克己

久保克己

テーマ:学習計画の立て方

夏休みになると、私のもとには「うちの子が全然勉強のスケジュールを立てられない」「やる気が続かなくて困っている」というご相談が、保護者の方からたくさん寄せられるようになります。特に受験学年のお子さまをお持ちのご家庭では、長い休みをどう使わせればよいのか、不安に感じているのではないでしょうか。

私は京進のお客様相談センターで、塾生かどうかを問わず保護者の方の教育相談をお受けしています。塾講師としての現場歴は30年を超えますが、その経験からひとつだけ、はじめにお伝えしたいことがあります。それは、「受験勉強にやる気は必要ない」ということです。

やる気が湧くのを待っていては、夏休みはあっという間に終わってしまいます。今日は、やる気に頼らずにお子さまの学習を前に進めるための考え方を、現場でお伝えしている内容そのままにお話ししたいと思います。

時間管理ができないのは意志が弱いからではない
多くの保護者の方が最初に驚かれることなのですが、お子さまが夏休みの学習計画を立てられないのは、意志が弱いからでも、だらしないからでもありません。原因の多くは、単純に「ルーティンがない」ことにあります。

学校がある期間は、決まった時間に起きて登校し、時間割どおりに一日が進みます。この枠組み自体が、実は最強の時間管理装置なのです。ところが夏休みに入ると、その枠が一気に崩れます。何時に何をするかを、すべて自分で決めなければならなくなる。大人でも難しいことを、中高生に「自分で管理しなさい」と求めているわけです。

ですから、まず必要なのは気合いを入れることではなく、生活の枠組みをつくり直すこと。学校の時間割に代わる、夏休み用のルーティンを一緒に設計してあげることが出発点になります。

私が保護者の方とお話しするときは、いきなり完璧な計画を求めないようにしています。起きる時間、勉強を始める時間、そして一日の終わりに机に向かう時間。この三つの「決まった時間」を先に固定するだけでも、お子さまの一日は驚くほど整います。

中学生であればクラブ活動が生活の大きな割合を占めますので、そこにどれだけ時間を割いているかもうかがったうえで、与えられた環境の中でどう勉強するのが一番良いかを一緒に考えていきます。

やる気は「行動のあと」からついてくる
「どうすればやる気になってくれるのだろう」、そう頭を悩ませていらっしゃる保護者の方は少なくありません。ですが、順番が逆なのです。やる気が出るまで待つのではなく、とりあえず机に向かって少し手を動かす、するとあとからやる気がついてくる。私が現場でずっとお伝えしてきたのは、この順番です。

そのために有効なのが、学習を細かく区切る方法です。私はよく、1時間や2時間という長いスパンではなく、10分~20分という単位で計画を立てることをおすすめしています。

人間の集中力は、思っているより短い時間しか続きません。短く区切って、その合間にちょっとしたご褒美(お菓子を一口食べる、好きな音楽を一曲聴くといった小さな楽しみ)を挟むと、意外なほど効率よく勉強が進みます。

「10分だけやってみよう」なら、やる気がなくても始められます。始めてしまえば、もう半分は勝ちです。ハードルを下げて、とにかく行動を先にする。これがやる気に頼らない学習の核心です。

ルーティンは書き出して振り返るまでがワンセット
ルーティンとは、毎日決まって行う学習・生活の型のことです。ただ頭の中で「これをやろう」と思うだけでは、残念ながら続きません。大切なのは、書き出して、進み具合を管理し、振り返るところまでをワンセットにすることです。

私がおすすめしているのは、その日にやることをリストにして進捗をチェックし、あわせて簡単な日誌をつけることです。今日は何ができて、何ができなかったのか。集中できたのはどの時間帯だったのか、と言った内容を数行で構いません。書くこと自体が、翌日の計画を現実的なものにしてくれます。

日誌をつけると言うと、面倒に感じられるかもしれませんが、これは反省文ではありません。できなかったことを責めるためではなく、自分の集中のクセを知るための記録です。何時ごろが一番はかどるのか、どの科目で手が止まりやすいのか。それが見えてくると、翌日の10分・20分の割り振り方がぐっと現実的になります。

そして、この振り返りにひとりで向き合わせないことが肝心です。書いた日誌に対して、保護者の方や塾の講師がフィードバックをする。「よく続けているね」「この時間帯は集中できているみたいだね」と声をかけるだけでも、お子さまの取り組みは大きく変わります。

私が現場で「分からないことは質問しなさい」と言い続けてきたのも、同じ理由からです。できないことを素直にまわりに伝え、支援を得る力こそが、結果として自立につながると考えているからです。

計画を立て、実行し、振り返り、フィードバックを受ける。この循環が回り始めると、やる気の有無に関係なく学習が前に進むようになります。

受験は個人競技ではなく家族の団体競技
最後に、私が最もお伝えしたいことをお伝えします。

受験は、お子さまひとりで戦う個人競技ではありません。本人と家族、そして学校や塾の先生がチームを組んで挑む、団体競技です。このチームワークをどれだけ高められるかが、結果を大きく左右します。

実際、志望校の偏差値と10ポイント以上離れていても、あきらめずに挑戦して合格するお子さまがいます。そうしたケースの背後には、必ずと言っていいほど、ご家庭の支えがあります。中学受験では特に、お子さまのモチベーションを家庭でどう保つか、塾とどれだけ密に連携できるかが鍵になります。

そこでおすすめしているのが「サイレントサポート」です。サイレントサポートとは、言葉で急かすのではなく、環境で子どもを支える間接的な応援のことです。お子さまが机に向かう時間帯は、家族もテレビを消して本を読んで過ごす。そんな静かな支え方です。

お父さんがビールを飲みながらテレビで大笑いしている横で「お前は勉強せえ!」と言っても、お子さまは「なんやねん!」となってしまいますよね。特に受験を控えた中学3年生のご家庭では、ご家族のちょっとした配慮が大きな力になります。

やる気は必要ありません。必要なのは、行動を先に置く仕組みと、それを支えるチームです。京進のお客様相談センターでは、お子さまの個性に合わせて、この仕組みづくりを一緒に考えるお手伝いをしています。

まとめ
やる気が出るのを待つ必要はありません。ルーティンをつくって行動を先に置き、家族というチームで支えれば、お子さまの夏は必ず前に進むと私は考えています。

・夏休みの学習スケジュールが立てられずお困りの方
・お子さまのモチベーションが続かず不安な方
・家庭でどう受験をサポートすればよいか迷っている方

まずはお気軽にご相談ください。京進のお客様相談センターでは、塾生以外の保護者の方も含め、無料の教育相談を承っています。
お問い合わせ先:https://kyoshin.co.jp/

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

久保克己
専門家

久保克己(塾講師)

株式会社京進

子どもの学習や成績・受験で悩んでいませんか?「お客様相談センター」は、塾生以外の保護者も含め、電話やメールで無料の教育相談を受け付けています。子どもの個性に合わせた解決法などを提案します。

久保克己プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

子どもの受験で悩む保護者にアドバイスする教育相談のプロ

久保克己プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼