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小学生の親が高校受験のために今からすべきこと 第7回

久保克己

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テーマ:小学生の親が高校受験のために今からすべき

おおたとしまさ著「小学生の親が高校受験のために今からすべきこと」(旺文社)の紹介も第7回を迎えました。すでに著書をお持ちの方もいらっしゃると思います。
今回は、単なる内容紹介ではなく、長年現場で塾の講師をしていた者として感じる事を書いてみたいと思います。

第5章:叱り方のルール
おおたとしまさ先生は、しかり方のルールとして5点挙げて下さっています。
(1)叱る基準を一定にする
(2)1つのことができるまでは、ほかのことでは叱らない
(3)子どもの気になる部分のリストをつくる
(4)「今、ここ」と関係ないことで叱らない
(5)1回で直ることを期待しない
おおたとしまさ先生は、それぞれの項目で具体的な事例を挙げて分かりやすく説明してくださっています。その中で、(5)について感じた事をお話したいと思います。
ここでは「1回で直ることを期待しない」という事ですが、塾の講師として感じるのは「1回で生徒が覚える事を期待しない」という事でしょうか。
塾の講師は一般的に、何とか生徒に理解してもらおうと、一所懸命に授業をします。しかも1回の授業にたくさんの知識を詰め込みます。そして、ややもすれば「一度教えた事だから生徒は覚えているはずだ」と思い込みます。それで生徒が覚えていないと「前に教えただろ!」「何故、覚えていないのか?」などと言って生徒を叱責してしまう場合があります。お子様の勉強を見ていただいているお母様、お父様も同じような経験をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
かつて塾では、生徒を叱責して得点力を伸ばす、という方法が主流だった事もあります。時と場合によっては必要な事もあるでしょう。しかし最近では、叱責ばかりしていると生徒はやる気を失い、生徒の「心のコップを下向きに」してしまう事が多い、と言われています。そこで(5)の別バージョンを作ってみました。「1回で覚える事を期待しない」という事です。もちろん授業内容を1回で覚える生徒もいます。あくまでこれは教える側の心の持ち方です。この心の持ち方は、ご家庭でも当てはまることではないかと思います。
お母様、お父様は、お子様に対して「1回で覚える事を期待しない」と自分に言い聞かせてみて下さい。その上で、教えた事をお子様が覚えていたら「よく覚えていたね」と褒めてあげてください。お子様はお母様、お父様に認められる事が嬉しくて、教わった事を一所懸命に覚えるようになるでしょう。お子様が覚えていない所は繰り返して教えてあげれば良いのです。そして覚えたら褒めてあげましょう。塾でも今はそうした指導が主流になってきています。試してみてください。
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久保克己(塾講師)

株式会社京進

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