会計を基盤に、人にやさしいシンプルな経営方針表を提案（2/3）

A4の紙1枚にまとめられた「経営方針表」には、会社経営のエッセンスが凝縮

　小さいころから経営に興味があったという花さんは、税理士を目指しました。受験生活を送って念願の会計事務所へ入所しましたが、もの足りなさを感じたそう。研修などに参加して経営を学びましたが、実践的ではない。そんなとき、実践経験豊富な経営コンサルタントの会社を設立時から担当することになり、経営コンサルティングの教えを乞います。

　そこでは、経営の原理・原則、基礎・基本をたたき込まれ、経営方針書の大切さや作成方法、インタビューや視察による現実・現場・現品の三現主義の重要性などを学び、会計事務所内でも一目置かれて地位も築きます。しかし、自分も経営者にならなければ、経営者の気持ちに心から共感できないと独立を決意します。

　会計と経営の二大看板を揚げて事務所を開いたものの、経営コンサルティング契約を結んでいない顧客には肝心の経営計画書をなかなか受け入れてもらえませんでした。「試行錯誤を繰り返して行きついた形が、A4の紙1枚に骨子をまとめたシンプルな『経営方針表』です。たった1枚ですが、毎月の報告時に経営者へのインタビューを繰り返し、確認を重ねて作成しているので、エッセンスが凝縮されています」

　「コンサルティングに、おしきせはあり得ない」と語る花さん。「経営方針表」は、相手を尊重して末長く成長してもらいたいという気持ちの証とも言えそうです。

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