年齢を重ねることは素晴らしい

パソコン教室では、
「ここを押したらいいんですよね?」
「この画面、どうやって戻るんでしたっけ」
そんな質問が毎日のように飛び交います。
もちろん、その場で答えることはできます。
水をコップに入れてお渡しするように、
「ここをクリックですよ」と伝えれば、
その瞬間は問題が解決します。
でも、私はいつも思うのです。
本当に大切なのは“水”そのものではなく、
自分で水を汲める井戸を持つことだと。
中国の言葉に
「水を与えるより、井戸の掘り方を教える」
という教えがあります。
パソコン教室もまさに同じで、
「ここを押す」だけを覚えても、
画面が少し変わればまた迷ってしまう。
でも、
「なぜそうなるのか」
「どこを見れば判断できるのか」
その“井戸の掘り方”を知っている人は、
新しい場面でも自分で水を汲み出せます。
井戸を掘るには時間がかかります。
最初は土が固くて、
思うように進まないこともあります。
けれど、少しずつ掘り進めるうちに、
その人だけの井戸が形になっていく。
そしてある日、
「前はできなかったけど、今日は自分でできました」
そんな言葉がこぼれる瞬間があります。
そのとき、井戸の底から水が湧き出したのだと感じます。
パソコン教室は、
ただ操作を覚える場所ではなく、
自分の井戸をゆっくり掘り進める場所。
忘れてもいい。
時間がかかってもいい。
大切なのは、
自分で水を汲める力を育てていくこと。
今日の一歩は、
明日の井戸を少し深くしてくれます。


