相続した不動産(住宅や土地)を相続人で分けたい
不動産の生前整理・相続
「生前整理」とは、自分の死後に、遺族の方々が遺品の整理・相続などで苦労しないように、それらを整理しておくことを言います。
不動産の生前整理については、「①用途別に不動産を整理する」「②それらを収益によって分ける」「③それらを換金できるかどうかによって分ける」「④その不動産を相続することによって発生する費用によって分ける」「⑤整理した不動産を誰にどのような形で贈与・相続させるかを明確にする」ということが重要になってきます。
また贈与の場合、贈与者と受贈者の意思をしっかりと確認できる契約書を交わしておくことによって無用なトラブルを避けることができます。
生前整理という言葉を聞いたことがありますか?
本日は不動産を生前に整理したい方に向けてのコラムです。みなさんは「生前整理」という言葉を聞いたことはありますか?
生前整理とは、自分の死後に遺族が遺品の整理・相続などで苦労しないように、それらを自分が生きているあいだに整理しておくことを言います。
最近よく耳にする“終活”の一つだとも言えますが、年老いて体力や気力が衰えるまでの元気な内にそれらを行う「老前整理」という言葉も近年は登場しているとのことで、世間的にもその関心の高さがうかがわれます。
それでは、生前整理というのはどのようなことをするのでしょうか?
整理すべきものは、日常生活に使っている品々から預金通帳、お墓など多岐にわたります。その中でも特に今回のコラムでは、うまく整理すれば遺された遺族に大きな恩恵をもたらすものの、きちんと整理しないで放っておいた場合には、遺族間のトラブルの火種にもなってしまう“不動産”の扱いを中心に、生前整理について見ていきましょう。
不動産の生前整理のポイント
不動産を生前整理するポイントを、以下の5つの手順で考えてみます。
①ご自身がお持ちになっている不動産を用途別に整理してみましょう。
用途別というのは、例えば自分自身が住んでいる“自宅”なのか、“マンション”なのか “駐車場なのか”といった用途で分けてみるということです。
②次に、それらが収益を生んでいるかどうかを考えます。
その不動産が有効活用されているかどうかです。例えば、“マンション”であっても、そこを誰も借りていなければ、収益は生んでいません。つまり未利用地となるということです。
③続いて、それらが換金できるかどうかも調べてみましょう。
それらが「相手さえいれば、すぐに売却できる状態にあるか」、そしてそれらが売れるとしたらいくらぐらいになるか、ということを調べておいてください。
④相続税や借金の有無など、それらの不動産を相続することによって発生する費用を確認してください。
相続税がかかる場合は、どれくらいかかるのか。またローンなどの支払いが終わっていない場合は、後どれくらいで完済するのか、なども重要です。
⑤上記の手順で整理した遺産を誰にどのような形で贈与・相続させるのかを明確にしておきましょう。
そして、これらのことを遺言という形でまとめて記しておくと、遺族も「どのような分配をあなたが望んでいたのか」ということがわかり、トラブルの元を減らせる可能性が出てきます。
生前整理を行う上での注意点
生前整理は「終活の一つ」と書きました。しかし、自分の人生の終わりに向き合うことに前向きに慣れない方もいらっしゃるでしょう。
そのため、「生前整理をする、しない」はご本人がそういった気持ちになったときで問題ありません。また、必ず「やらなければならない」というわけでもありません。
ただ、遺された家族のこと、そして自分のこれまでの人生を振り返り、これからはどのように生きて行きたいか、ということを考える機会と捉えれば、それほど後ろ向きのことでもないように思います。
また、「整理したものをどのように処分していくか」については、贈与という方法がありますが、この贈与に関しても少し注意しておいていただきたいことがあります。
贈与において重要になってくるのが「贈与者と受贈者の意思が確認できる」ということです。
この意思は、必ずしも「契約書」という形で紙に残っている必要はありませんが、税務調査などを考えて契約書を作っておくことをおすすめします。
また、「年間110万円以下の贈与には贈与税がかからない」といったことがありますが、これには例外があります。それは毎年これらの金額を贈与することによって「定期贈与である」と見なされた場合です。
つまり税務署から「最初から1100万円を贈与するつもりで、それを10年に分けて贈与した」と考えられた場合には、毎年贈与してきた金額が課税の対象になるということです。
こうした事態を避けるために「毎年違う金額を贈与すべきだ」というようなことを書いている人もいますが、これは不正確な情報です。
「ただ毎年110万円を10年間贈与した」という場合、その贈与は「連年贈与」と呼ばれる類いのものであり「定期贈与」とは違います。
こうした誤解をうけないためにも、一年ごとの「連年贈与」に関する契約書、覚え書きを書いておくことは、非常に重要なことだと言えます。
家族など近しい関係にある人間と契約書のような書面を交わすことは何となく面倒であると同時に他人行儀に思えるかもしれません。しかし、それらが家族を無用なトラブルから守ってくれることも時にある、ということを忘れないようにして下さい。
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