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由籐久和

家計に適した住宅取得・住宅ローンや保険を提案するプロ

由籐久和(ゆとうひさかず) / 家計プランナー

ファイナンシャルプランナー FPライフ

コラム

住宅ローンの頭金は本当に必要?

2016年7月21日 公開 / 2016年11月24日更新

テーマ:住宅ローンと資金計画

コラムカテゴリ:お金・保険

コラムキーワード: 住宅ローン 借り換え住宅ローン 固定金利住宅ローン 審査


住宅を購入する場合は、頭金を物件価格の2割準備した方がよいといわれています。その理由としては、以前は物件価格の8割までが住宅ローンで借入できる上限だったからです。

しかし、現在は物件価格を借入できる住宅ローンが増え、諸費用分の借入も可能な住宅ローンがあり、頭金がなくても住宅の購入は可能になりました。しかし、頭金が多ければメリットも多いのです。

頭金が多いほど借入金額は少なくてすむ

頭金を入れる大きなメリットは、頭金ゼロに比べると住宅にかかる借入金額が少なくてすむので返済負担が少なくなることです。

家の購入金額をすべてローンにした場合と、頭金を入れた場合とでは金利が変わる金融機関が多いのです。一部の金融機関では、頭金の割合によって住宅ローンの優遇金利が変わるローンもあり、頭金が2割以上ある場合は2割未満の場合よりも低い金利を適用しています。

ただ、メリットもある反面、資産の減少と貯蓄計画をたてなければ頭金を多く出したメリットも半減します。楽に払える、短期で払えるということに執着することにとらわれないようにしましょう。
メリットがあればデメリットもあることを理解しておいてください。

最近は頭金なしでも、諸経費も含めて100%以上を融資する住宅ローンもありますが、身の丈に合わない住宅を購入すると、返済できなくなるリスクもあると心得ておきましょう。

住宅ローンの1年間の返済総額は、年収の4分の1以内に収めるのが理想と言われています。

せっかく購入した住宅も、長く住まないうちに手放さなければならないことになれば、元も子もありません。それに、短期間しか住まなかったとしても新築と同じ値段で売れることはありません。ローンの残高よりも、売却額が低くなってしまうこともあります。そうなってしまうと、家を売りたいのに売れないという最悪の状況に陥ります。
頭金ゼロにはこうしたリスクがあることも理解しておきましょう。

頭金が少なくても買った方がよい場合もある!

頭金ができるまで数年待つのか、頭金が十分でなくても早めに購入するべきか迷われる方も多いのではないでしょうか。

頭金を貯めるための時間と現状の金利状況、賃貸料などを考慮してベストな時期を判断していきましょう。

金利状況によっては、せっかく貯めた頭金のメリットが少なくなる可能性もありますし、家族状況、育児休暇をとる予定であるとかローン審査に関わることなども考慮すべきところですね。

住宅ローンの返済期間は長い方が無理なく返済できるので、将来的に購入すると決めているのであれば、早い段階で購入するのも良いでしょう。家賃を支払う期間が長くなると、生涯の住宅費総額が増えてしまいます。

しかし、いくら住宅ローンの返済がラクになるからといって、貯蓄をすべて頭金に費やしてしまうのはおすすめできません。
貯蓄総額から、物件購入にかかる諸費用・生活予備費・将来のための貯蓄などを引いて、余った金額を頭金にまわすようにしてください。生活予備費は、生活費の3~6カ月分を目安にしてみてください。いざという時の備えがないと、家族の生活が破綻してしまいます。

住宅を購入する場合は、無理のない借入金の範囲内で予算を決めて、諸経費や購入後の生活予備資金は必ず準備しておくことは必須です。

住宅取得後もいつまでもお金の不安にとらわれないように、頭金を多く出す方や借り入れ期間の短い方は、特に老後までを見据えた資金計画を住宅アドバイス専門のファイナンシャルプランナーと一緒にすることを忘れないようにしましょう。

家を購入しようと思ったときに最も重要な“資金計画”

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由籐久和

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