老後に保険料を、払う?払わない?終身医療保険の支払いを考える

西山隆詞

西山隆詞

テーマ:生命保険について


医療保険のご相談を受けていると、よくこんなご質問をいただきます。

「終身医療保険って、保険料を一生払い続ける“終身払い”と、たとえば65歳で払い終える“短期払い”があるって聞いたけど、どっちがいいんですか?」

これは本当によくあるお悩みで、どちらを選ぶかは人それぞれ。ただ、違いをしっかり理解しておくことで、“納得の選択”ができるようになると思います。

今日はそのあたりを、私の実体験も交えてお伝えします。


「終身払い」と「短期払い」、それぞれの特徴は?

まず、終身医療保険とは、一生涯にわたって医療保障が続く保険のことです。
ここでいう「払い方」には、大きく分けて次の2つがあります。

終身払い:保障は一生涯。保険料も一生涯払い続ける
短期払い:保障は一生涯。ただし保険料の支払いは一定年齢(例:60歳や65歳)で終了する

それぞれのメリット・デメリットをざっくり比較すると、こうなります。

■終身払い
・メリット:月々の保険料が安く抑えられる
・デメリット:老後もずっと保険料を払い続ける必要がある

□短期払い(例:65歳払い)
・メリット:65歳以降は保険料の負担がなくなり、家計が楽になる
・デメリット:月々の保険料は割高になる

最近では「65歳定年」が一般的になってきたこともあり、短期払いを選ぶ場合は、今のご年齢にもよりますが「65歳払い」をお勧めすることが多いです。収入のあるうちに払い終えて、老後の支出を減らしたいというニーズですね。


私自身は「60歳払い」を選びました

実は私も30歳のときに終身医療保険に加入しました。そのとき選んだのは「60歳払い」です。理由はシンプルで、当時は定年は60歳という会社が一般的だったからです。そのころは、お客様にご案内する際にも「短期払いなら60歳払いがおすすめですよ」とよくお伝えしていました。

収入がある間に保険料を払いきって、老後は保障だけが残る。わかりやすくて、安心感がある選び方です。

今も私はその保険を継続中で、60歳まではまだしばらく保険料を払い続けますが、「あと◯年で払い終える」という見通しがあるだけでも、気持ちはだいぶ違います。

その後は保険料ゼロで、一生涯の医療保障が続くと考えると、将来への安心材料のひとつになっています。


将来の見直しは「できる前提」ではなく「できない前提」で考える

「終身払いでいいかな。将来、もっといい保険が出たら切り替えたいし」と考える方もいらっしゃいます。確かに、医療保険は時代に合わせて変化していますので、その考え方もとても合理的だと思います。

でもここで気をつけたいのは、新しい保険が出るころには、自分の年齢も上がっているということ。また、健康状態の変化によっては、良い条件での見直しが難しくなる可能性もあります。「いつでも見直せる」と思っていると、思いがけずチャンスを逃してしまうかもしれません。

一方で、短期払いを選ぶ方は、「この人生はこの医療保険でいこう」と腹をくくっている方が多い印象です。

せっかく老後分の保険料を前払いしていくわけですから、途中で見直すと、その前払い分が“損”になるケースもあるんですよね。だからこそ、短期払いを選ぶ場合は、最初にしっかりと納得して加入しておくことが大切です。


まとめ|自分に合った選択を、信頼できるパートナーと

終身払いと短期払い、どちらにも良さがあります。大切なのは、「自分の今と未来」に照らして、無理なく、そして納得できるものを選ぶこと。そして、そういう選択をするには、メリットもデメリットもきちんと話してくれる相談相手の存在がとても大きいと思っています。

一方的に商品を押すのではなく、選択肢を出してくれて、最後に「ちょこっとだけ背中を押してくれる」ような、そんな存在。もしそんな相談相手がみつかれば、きっとあなたの保険選びも、安心と納得なものになるのではないでしょうか。

今日のコラムが、あなたの保険選びのヒントになればうれしいです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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西山隆詞
専門家

西山隆詞(ファイナンシャルプランナー)

ファイナンシャルアライアンス株式会社 高知支店

高知駅北口の総合保険代理店はベテラン揃い。保険が全く分からない方でも納得の見直しができるよう丁寧にアドバイス。解決策は保険会社30社以上のいいとこどりプランにて。子育て世代の保険選びは特に強み。

西山隆詞プロは高知放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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