塔婆立て。要注意のことがあります
今日は変体仮名について。
まず最初に、「へんたいかな」とPCで変換すると「変態かな」になってしまいますが決して「変態」じゃありません。もっとも今ではこの変体仮名は馴染みがなくなっています。一般的にはお蕎麦屋さんの看板などで時々見かけるくらいではないでしょうか。
例えばこの文字。「さ」ですが、元の漢字は「左」という文字。これが現行のひらがなです。
ところが同じ音(おん)でももっと他に「sa」をあらわす文字があるわけです。これが「左」とは異なる漢字から派生した仮名文字、すなわち変体仮名と呼ばれる平仮名です。下はその一例。
実は調べるともっと多くの「sa=さ」の文字があります。残念ながらパソコンの変換では「ゑ」などの一部のものしか出てきません。それにしても変体仮名は流れるような美しさを感じます。それに同じ音でも多くの仮名があるなんて、日本語の奥の深さには本当に恐れ入ります。
残念ながら、今ではこうした文字に触れる機会はごく限られています。
でも私の業界では、この変体仮名は個人の名前、特に女性の方の名前として時に目にすることがあります。お墓に刻む俗名などで目にするというわけです。(新たに名前の文字としては使えません。法律で禁止されているようです。)
お墓に刻む文字、特にお年寄りやご先祖様のお名前の中で解読できない文字があれば、この変体仮名の可能性があります。こうした際には現行の平仮名で行くか、変体仮名で行くかを含めご相談ください。
それはともかくとして、日本の文字の一種である変体仮名。日頃使うことがなくとも、大切な文化の一つです。むやみに棄て去ることがないようにしたいものですね。
また、よろしくお願いします。