「令和5年(2023)年度・灘中二日目・大問三・詩」の解説
こんにちは。
国語専門オンライン学習塾 啓理学舎の篠田です。
今回は、
「詩の読解方法」
について、お話させていただきます。
客観的、論理的に読解する
詩が入試問題に出題される場合、必ず採点をしなければいけません。
そのため、模範解答は客観性が求められます。
ここでいう客観性とは、10人中8人以上がその模範解答に対して納得できるということです。
つまり、文章読解はもちろんのこと、詩の読解も感性やセンスは必要がないということです。
詩には独自の論理性があります。
なぜなら、普通の文書より少ない文字数で表現しているからです。
また、詩は比喩表現がよく出てきます。
作者は、少ない文字で比喩等の表現方法を駆使して、何かを表現しようとしています。
そのため、読者は、その詩を紐解き、読解していくことになります。
言うなれば、パズルを解くような感じです。
要するに、詩の読解問題を得意にするには、詩というパズルの解き方を身につければいいということになります。
これ以降に説明するポイントに注意しながら詩を読解していけば、パズルを解くような感じで問題を解くことができるようになります。
がんばっていきましょう!
題名の確認
あなたが詩を書く場合、題名はどうしますか?
書いた詩で最も言いたいことを、題名にしませんか?
入試で出題される詩も同様です。
作者の最も言いたいことがコンパクトにまとめられています。
詩を読解する前にしっかりと確認し、読解を進めていきましょう!
繰り返し出てくる言葉に注意
説明的文章でも同じことが言えますが、文章中に何回も出てくる語句は、主題となります。
詩のも同様です。
詩の中で、最も言いたいことは、繰り返し出てきます。
その語句を探し、読解していきましょう。
連に注意
通常の文章では、段落と呼ばれる区切りがあります。
段落の初めは1字下がっています。
詩にも段落のようなものがあります。
それは、「連」です。
「蓮」と「蓮」の間には、1行空きがあります。
上記のことを頭に入れ、しっかりと読解していきましょう。
表現方法をおさえる
下記の5つの表現方法をおさえましょう!
【比喩】
比喩には、「直喩」と「隠喩(暗喩)」があります。
どちらも具体的なイメージを読者に連想させることができます。
直喩:「〜ようだ」「〜のごとし」「〜みたい」「まるで〜」などの語句を用いて、あるものごとを他のものにたとえる表現方法です。
例)「雪のような肌」「まるで太陽のような笑顔」など
隠喩(暗喩):「〜のようだ」「〜のごとし」などの直接的な表現を用いず、ある物事を他のものにたとえる表現方法です。
例)「彼女の笑顔は太陽だ」「金は力なり」など
【擬人法】
人間以外のものを人間に見立てて表現する方法です。
物や動物に人間の感情や動作を与えることで、より生き生きとした表現を生み出すために用いられます。
例)「鳥が歌う」「風がささやく」など
【倒置法】
普通の文の語順とは逆にする表現方法です。
語勢を強めたり、語調をととのえたりするために用いられます。
例)「どこに行くのか、君は」「起きろよ、早く」など
【反復法】
同じ言葉やフレーズを繰り返して使う表現方法です。
意味を強調したり、リズムを生み出したりするために用いられます。
例)「会いたい、会いたい、もう一回会いたい」「力こそパワーだ」など
【対句法】
意味や構造が対応する二つの句を並べる表現方法です。
リズム感や対比効果を生み出す表現技法です。
例)「青い海と白い雲」「山は高く、海は深し」など
以上の表現方法を頭に入れて、詩の読解をしていきましょう!



