本物のFPの見極め方

渡辺博士

渡辺博士

テーマ:ファイナンシャルプランナーについて

 昨今、ファイナンシャル・プランナー(以後FP)は注目されるようになってきましたが、レベルの低いFPが数多く見受けられます。これらのFPのセミナーや相談を受けたとき、私なら非常にがっかりしてしまいます。私が過去に経験してきたFPをランク分けしてみましたので、今、FP資格をもっている方はご自身に当てはめてみて頂きたいのと、FPではない方については、本物のFPを見極めるひとつのモノサシにして頂けたら幸いです。

 まず、五段階評価にしてみました。資格の種類は(1~3級FP技能士、CFP、AFPを対象で、どの資格でも可)
・レベル1:FP資格者が自分自身の生活のために資格を取得した方(専業主婦(夫)FP、定年退職FP、学生FPなど)
 この人たちは、自分自身のために資格を取得されたのだからそれはそれとして構いませんが、講師として話しをしたり、相談を受けたりするレベルではありません。しっかりとしたFPになるためには相当な努力が必要なレベルです。
・レベル2:金融機関出身FP
 銀行・証券会社・保険会社などの金融機関で、会社の要請によりFP資格を取得したFPとなのる方はほぼ営業マンです。相談をしたらその企業のことは知ってます。でも企業の枠を超えることはなかなかできないレベルです。特徴として給与などをもらっている関係上「会社が絶対!」という考え方を持っています。素人ではないけどFPとしては素人の部類に入ります。どんなに会社の地位が高くても素人FPです。
・レベル3:会計事務所や法律事務所など士業系事務所出身FP
 ここには優秀な保険代理店FPなども入ります。このFPはレベル2のFPとほとんど形式的には同じなのですが主に個人で行っており、企業の看板がない、所謂企業の信用がなくてもできるという意味ではワンランク上のFPとなります。
・レベル4:FP会社出身FP、又はレベル3でも積極的にスタディグループ(以下SG)や、それらと同じように、先輩FPがいるコミュニティなどで実績を積んでいるFP
 このレベルになると通常は、ウェブサイトを検索すると何らかの名前がヒットしてきます。金融機関などと違っていて、FPとして勉強を積み重なていることとFPとしてのネットワークがあるということになり、講師や相談などを依頼しても何とかやれているFP
・レベル5:FP会社又はFP事務所を経営していて、ある程度実績があるFP
 最高ランクとなるFPであるが、著名なFPとは限りません。優秀なFPは必ずネットワークが充実しています。金融機関のコミッションとは一線を画して、企業などのフィーを取りに動いています。よって企業とのつながりもあることになります。

 以上のようになると思われますが、決して専業主婦(夫)FPや定年退職FPなどが悪いという意味ではありません。中には立場はそのようになっていたとしてもネットワークを保有し、企業などとも渡り合える方もいらっしゃいます。そういったFPならレベル4又は5になっていると考えられます。
 
 一つ、最近資格をとってこれからFPとして活躍しようと考えている方へ申し上げます。
 FP資格を何でもいいから取得したあとは、まずSGに入会することです。日本FP協会のウェブサイトを見てもらえればたくさん地域において行われているはずです。又、地方によってはSGがあまりないといった新米FPの方は、ウェブサイトで検索して地域のそばで活躍しているFPにご相談下さい。その先輩FPがレベル4や5だったら、ネットワークを紹介してくれるでしょう。インターンとして何年かFPとしてできるようになったら、その時はレベル4にはなっているでしょう。

 又、勘違いしてほしくないのは、日本FP協会に絡んだらいいというわけではありません。例えば継続研修会やその他研修会を日本FP協会地域支部がよく行っておりますが、それは単位を取得したり、欲しい知識が得られるという意味ではいいのですが、先輩FPとのコミュニケーションがないため、FPとしてのレベルアップにはあまり役に立ちません。
 
 それともう一つ、1級FP技能士やCFPがとても優秀だという方がいますが、全くのでたらめです。知識レベルではたしかにその通りです。しかしFPは保険を売ったりしませんし、金融商品や不動産を販売したりもしません。法律でできないようになってます。1級FP技能士やCFPなどを取得しても、実際は実務の経験なしでは困ります。よって、経験豊富なFPに相談するしかないのですが、3級FP技能士やAFPでも優秀な方はたくさんいらっしゃいます。是非優秀なFPにご相談すべきと強く申し上げます。
 1級FP技能士やCFPで、金融機関FPや保険代理店、金融商品仲介業者、不動産仲介業者などでFP資格を保有している方は、キチンとFP業務を行うこと!経験がないのにそれを謳うのは、ある意味詐欺行為だと私は考えます。ただの営業マンにならないように注意してください。
 又、金融庁では業態の線引きを強く言ってます。FP業務を行わずにそれらFP業務以外の業務を行えば、「法令違反もしくはFP業務を含む全てをFP業務以外の業務とする。」とのことですので、コンプライアンス違反に該当します。金融機関などに所属するFPに相談することは要注意なのです。

 FPはお金の専門家ではあるかもしれませんが営業マンではありません。相談者の身近な存在であるようになれたら幸いと考えます。

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渡辺博士(ファイナンシャルプランナー)

ワタナベマネークリニック

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